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車の運転で特に気をつけて頂きたい病気に“てんかん”と“認知症”があります。

てんかんは、脳の神経細胞に突然に電気の嵐(発作放電)が起こり、てんかん発作が生じ、しかもその発作が繰り返して起こる慢性の病気です。一般人口の中でてんかん患者は1%ぐらいといわれています。てんかんは、どの年齢でも発症しますが、特に起こりやすいのは3歳ぐらいまでと学童期です。てんかん患者の90%は20歳までに発症しています。したがって、小児科で診断治療されているケースが多いのですが、その後は、私が専門とする神経内科医がフォローすることになります。

 

さて、てんかん発作に伴う交通事故に関するニュースが2件続けてありました。

三重県四日市市羽津町の近鉄名古屋線の踏切で、ワゴン車を運転中に自転車の男性3人に追突し、電車と衝突させて死傷させたとして、自動車運転過失致死傷の罪に問われている歯科医師のケース。

栃木県鹿沼市で登校中の小学生の列にクレーン車が突っ込み、児童6人が死亡した事故で、運転手が、てんかんの発作を起こしたため、突然意識を失い、事故を起こしたケース。

いずれも、尊い命を奪っています。道路交通法では、てんかんを有していても2年以上発作がない場合,あるいは意識を消失しない発作や,夜間に限られる発作の場合には,専用の診断書による審査を経た上で運転が許可される場合があるとされています。つまり、十分なコントロールが出来ていない場合は、医師として厳しい対応をする必要があるのです。ここが曖昧だと、逆に医師の責任まで追及されると考えられます。

 

てんかんの患者さん以上に問題となりそうな病気が、認知症患者さんによる交通事故です。認知症の患者さんは現在200300万人と言われています。認知症の患者さんの場合、初期の場合は、交通事故で病気が発見されることがあります。例えば、アクセルとブレーキを間違えた高速道路の逆走。これだけで、診断が出来てしまうほどです。

また、認知症がかなり進行しているケースでも、田舎特有の交通事情で運転せざる得ないケースもあります。しかし、やはり、尊い命を奪う可能性があるため、毅然と運転をやめるよう指導します。認知症の場合、服薬だけでなく、社会との交流が大事という指導と矛盾しますが止むを得ません。

 

最近では、高齢者に対しては、免許の書き換えの際に、認知症の簡易検査がおこなわれます。しかし、この検査もかなりいい加減で、相当認知症が進行していてもチェックできないケースが見受けられます。

本来なら、現状で行政として対策を取る必要があります。やはり認知症の患者さんが重大な事故を起こさない限り、行政は動かないようです。自分の患者さんがその当事者にならぬよう、これからも厳しい指導をしていこうと思います。


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