認知症が進行すると先回の中核症状だけでなく、感情的な変化や精神病的な言動が出現してきます。介護者が悩まされる症状です。このような症状を中核症状に対して「行動・心理症状(BPSD)」と呼びます。従来の周辺症状と同じ意味です。BPSDには、幻覚、妄想、徘徊、人格変化、暴力行為などがあります。この中では特に「お金を盗られた」といった被害妄想の頻度がもっとも多いようです。被害妄想は家族内のトラブルになる事も多く、 “実害”が出現します。この段階ではBPSDのコントロールが主体となり、認知機能障害自体の治療は困難となります。さらにBPSDのコントロールが悪いと在宅介護が困難となり、施設入所も考慮せざる得なくなります。