平成24年8月5日(日)東京で第一三共製薬主催の認知症の新薬の研究会がありました。
研究会といっても、全国から30名程度の認知症の専門医が集まったクローズなものです。
参加者は、いずれも認知症を実際に診て、地域で講演活動も行っている医師の集まりです。
会は、長田乾先生と北村伸先生の司会のもと、中村祐先生の基調講演後、認知症の薬についてのテーマが4つほど提示され、参加者が意見を述べ合いました。
さすがに、最初の発言の際は少し遠慮がちでしたが、司会者がアトランダムに意見を求めるので、緊張感は凄いものです。
いったん、発言が始まると、それぞれが意見を持った先生方であるため、かなり熱い議論となりました。
また、30名ほどのクローズの会のため、通常では話せないような率直な意見もずいぶん聞くことができました。
最後には、不思議と一定のコンセンサスにまとまり、この知見に基づいて、今後の日本の認知症治療が行われると考えると感動的でした。
今後、参加した医師の多くが、それぞれの地元で講演を行う予定となっています。
これら一連の流れからは、第一三共製薬の経営層の念密な戦略を感じました。
全国で30名のランチェスター的にいう“A(a)”を一堂に集め、徹底的に教育します。
そして、これらのA(a)の方を使って、いわゆるBやCに分類される層をA分類にしていくわけです。
極めて、有効な戦術だと感じました。
他のメーカでは、7月には2回ほど大規模な研究会がありました。
それぞれの参加者は300名と1000名ほどの会でした。
これだけの規模ですと、演者も本音を話すことができませんし参加者にも緊張感がありません。
正直、経費ばかりかかって効果は疑問でした。
薬自体は大変良いものですから、経営層には戦略の立て直しを希望したいと思いました。
これらに比べると、第一三共製薬さんの研究会は、貴重な日曜日を潰しても余りある、きわめて有益で効果的なものでした。
お誘い頂いた、会社の方々、さらに当日、貴重な情報を与えていただいた諸先生方に感謝です。