先日、日本経済新聞の美の美で『川端康成の美意識』が取り上げられていました。
川端康成は、『伊豆の踊子』や『雪国』などの小説で有名でノーベル文学賞を受賞しています。
じつは、美術コレクターとしても有名であり、現在も財団法人川端記念会が存在し、多くの美術作品を所蔵しています。
その中でも、なんと国宝を二点(与謝蕪村の「十便図・十宜図」と浦上玉堂の「凍雲篩雪図」)を所蔵していることは驚きです。
『川端は真贋にも無頓着でコレクションは雑多。目に入ったものは何でも持って帰る。勘定すらきちんと支払わない』。
挙句に、骨董屋の親爺さんたちが自慢そうに『川端先生に勘定をもってもらえなった』
と話すのを良く耳にしたようです。何やら凄い人だと思われませんか?
さすがに国宝の浦上玉堂の「凍雲篩雪図」を購入する際には、借家住まいでありながら、家の購入をあきらめて
借金をして購入したそうです。
川端康成の言葉で
『美術品を見ておりますと、これを見ているときの自分だけがこの生につながっているような思いがします』
小説を読むだけではわからない、人間の凄さを感じました。