“認知症患者さんは痛みに大袈裟”
と言われることがあります。
私の患者さんにも思い当たる例があります。
例1) 採血の際に
過剰に痛がります。
痛がるどころか
泣き叫ぶ!
他の患者さんからも
“何事か?”
と不安な視線。
いやいや、単に採血しているだけです。
さらに暴れるは、
つばをかけるは、
何とか、押さえて採血完了
とてもひどいことをしたような罪悪感です。
例2) インフルエンザの予防接種
皆が並んで
順番に注射を打つなか、
突然、地団太を踏んで
痛がり
“なんて痛い事するの!”と
怒られる。
とてもひどいことをしたような罪悪感です。
例3) お腹が痛いと執拗に訴え
家族が、臨時で受診。
相当痛がっていたようで
家族も不安顔
『○○さん、お腹のどのあたりが痛いですか?』
『・・・どこも痛くありません』
家族の驚いた顔!!
認知症患者さんは
とても素直です。
痛ければ痛い
痛みが取れれば
痛くない
ある意味
小児のように素直です。
例4) 痛みではないのですが、
多くの患者さんは寒さに敏感です。
少しでも寒いと
服を厚着します。
さらに重ね着をして
何枚来ているの?
動きづらくなって、転倒するほどです。
湯たんぽで低温やけどする人も後を絶ちません。
そして5月、かなり暑くなってきても
なーんと暖房
このように、
認知症患者さんの
訴えは当てになりません。
しかし
毎回、検査をすべて行うことはできません。
時に
見落とす可能性があることも
ご家族には、ご了承願っています。