年齢問わず、ペットを飼っている人はたくさんいらっしゃいます。統計的にもペットの飼育率(全体)は17.4%で、犬が9.3%、猫が8.9%でした。そんなペットの飼育ですが認知症のリスクに影響を及ぼすようです。今回の記事では、ペットの飼育と認知症のリスクについて解説します。
目次
1.犬を飼うと認知症のリスクが減る
東京都健康長寿医療センターの研究チームの研究結果が以下です。
都の疫学調査に協力した65~84歳の1万1194人を対象とし、2016~20年に認知症になった人の割合を調べた。発症リスクを示す「オッズ比」を算定すると、犬や猫を飼っていない人を1とした場合、犬の飼育者は0・6、猫の飼育者は0・98となった。飼育者でも犬は発症リスクが4割低くなった一方で、猫はほぼ変わらなかった。
2.犬の飼育をするとなぜ認知症リスクが減る?
犬の飼育をすると認知症のリスクが減る理由としては以下が考えられます。
2-1.運動習慣
犬を飼うと散歩をしないわけにはいきません。いくら外来で、「健康のために歩きましょう」と言っても一人では習慣化できないものです。しかし、毎日犬自体が散歩を求めると、不思議と散歩が習慣化します。
2-2.社会参加
医師は簡単に「社会との交流を図りましょう」とアドバイスします。しかし、年を取ってからの新しい交流は簡単ではありません。しかし犬を飼うと、散歩の途中などで飼い主同士のコミュニティができるから不思議です。
2-3.猫は有効でない
犬と比べると、猫の場合は飼い主が散歩に出ることもありません。それに伴う飼い主同士のコミュニティも作りにくいものです。その点が、犬は発症リスクが4割低くなっても、猫はほぼ変わらなかった理由のようです。
3.アニマルセラピー
施設などでも適宜動物の力を借りることは行われておりアニマルセラピーと呼ばれています。アニマルセラピーは動物とのふれあいによって人の心に癒しを与えることです。ストレス解消になるだけではなく、認知症やうつ病などの症状改善も期待できるため、医療や福祉などさまざまな分野で取り入れられています。
4.まとめ
- 犬の世話を通じて、日常的な運動習慣や社会参加の機会を維持することが期待できる。
- その結果認知症の発症リスクの低下につながっている
- 犬を飼えない場合でも施設等でアニマルセラピーも同様の効果が期待できます。