怒鳴っているモンスタークレイマーはMCI?

2015-07-27

皆さん、MCIという病名をご存知ですか?MCIとは、健常者と認知症の人の中間の段階(グレーゾーン)でMild Cognitive Impairment:軽度認知障害の略です。MCIの定義は、①記憶障害の訴えが本人または家族から認められている②日常生活動作は正常③全般的認知機能は正常④年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する⑤認知症ではない

つまり一見、全く異常はありません。社会生活も維持されています。しかし時々変な言動・行動を起こします。そのため家族は、“何か変!”と感じますが、受診には躊躇するのです。ところがMCIを放置すると、5年間で約50%の人は認知症へ進行します。厚生労働省は、MCI人口は400万人存在すると発表しています。MCIはとても身近なのです。

街中で、些細なことで怒っている高齢者を見かけませんか?これらの人たちは、MCIが疑われます。専門医からすると、銀行の窓口、レストラン、百貨店、電車の中、病院など結構見かけます。モンスタークレイマーと言われているなかには、MCI患者さんが含まれていると思います。さらに、経営者にも結構見られますので、社員は大変だと思います。何より正しい経営判断ができているのか心配です。一方で、MCIは騙されやすいという特徴があります。本当に認知症になれば、騙すことさえできません。MCIの方は執拗に勧誘すれば、なんとなく契約して、お金も払ってくれるのです。送りつけ商法、リフォーム、健康食品、ときにお布施など外来でも多くの方が騙されています。


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しかし診断してしまえば、薬への反応は良好です。人によっては、“薬物治療は進行を遅らせても、完治することはできません”といわれます。しかし、認知症の薬は神経細胞と神経細胞の流れを良くします。多くの神経細胞が残っているMCIの段階で治療を行うことは、とても効果的なのです。

 

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