先回は、てんかん患者さんの自動車の運転について指摘しました。
しかし、今後それ以上に問題となりそうなことが、認知症患者さんによる交通事故です。
認知症の患者さんは現在200-300万人と言われています。
認知症の患者さんの場合、初期の場合は、交通事故で病気が発見されることがあります。
例えば、アクセルとブレーキを間違えた、高速道路の逆走。
これだけで、診断が出来てしまうほどです。
また、認知症がかなり進行しているケースでも、田舎特有の交通事情で運転せざる得ないケースもあります。
しかし、やはり、尊い命を奪う可能性があるため、毅然と運転をやめるよう指導します。
認知症の場合、服薬だけでなく、社会との交流が大事という指導と矛盾しますが止むを得ません。
最近では、高齢者に対しては、免許の書き換えの際に、認知症の簡易検査がおこなわれます。
しかし、この検査もかなりいい加減で、相当認知症が進行していてもチェックできないケースが見受けられます。
本来なら、現状で行政として対策を取る必要があります。
やはり認知症の患者さんが重大な事故を起こさない限り、行政は動かないようです。
自分の患者さんがその当事者にならぬよう、これからも厳しい指導をせざるを得ません。
このような観点からも、年を取ったら、都会の公共交通機関の便利の良い場所での生活をお勧めしたいものです。