医学博士。岐阜県土岐市を中心に9ヶ所のクリニック、介護施設、リハビリ施設を運営する医療法人ブレイングループ理事長。毎月1,000人以上の認知症患者を診療する日本有数の認知症専門医。開業以来5万件以上の訪問診療、500件以上の在宅看取りを実践している。

【お薦め本の紹介】不夜脳 脳がほしがる本当の休息

私たちは「よく眠れないと脳に悪い」と思いがちですが、本当に必要なのは“長く眠ること”ではなく、“脳が心地よく働ける環境づくり”。忘却の力、眠っている間の老廃物の掃除、適度な刺激の大切さなど、脳の仕組みがわかりやすく説明さ …

預金1億でも“低所得”?

近年、医療費・介護費の膨張にともない、「高齢者の負担をどう設定すべきか」という議論が活発になっています。特に注目されるのが高齢者の“高所得者”区分をどう定義するかという問題です。現行制度では、多くの場合“年金を含む所得額 …

朝のスムージーがあなたの“血糖を破壊”する理由

健康志向の高まりとともに「朝はスムージーから始める」という人が増えています。野菜や果物を手軽に摂れるうえ、見た目にも鮮やかで、いかにも“体によさそう”な印象がありますよね。しかし、医学的に見ると「スムージーを朝一番に飲む …

【お薦め本の紹介】多動脳―ADHDの真実

自分自身がADHDであるということは分かっていました。しかしこの本を読むことで確信に変わり、あらたに特性や対応策を学ぶことができました。ADHDは世の中には数%は存在するのですが、起業家に限定するとその割合はかなり上がる …

国民負担増でも医師の特権税制?

日本の医療費は、年々上昇し続けています。高齢化や医療の高度化により医療費が膨張する一方、その負担を支えているのは最終的には国民全体の税金と保険料です。しかし、その医療費を支える国民の多くが知らないまま、「医師・歯科医だけ …

「年相応」という言葉の落とし穴 〜認知症専門医の立場から〜

認知症外来を担当していると、患者さんやご家族から「以前、ほかの病院で“年相応”と言われたんです」という言葉をよく聞きます。一見、やさしく聞こえるこの“年相応”という言葉。しかし、認知症の診療現場では、この一言が「発見の遅 …

【お薦め本の紹介】垣谷美雨『病棟シリーズ』

垣谷美雨さんの『病棟シリーズ』──『後悔病棟』『希望病棟』『懲役病棟』『絶縁病棟』──をすべて読みました。題名に病棟とついていますが、描かれているのは「病気」や「死」だけではありません。そこにあるのは、人の心の弱さややさ …

「物忘れ」と「置き忘れ」…認知症専門医が解説

診察室でもよく聞かれる質問があります。「最近、物を置き忘れることが増えたんです。これって認知症の始まりですか?」結論から言うと、多くの場合、それは認知症ではなく、脳の“注意の使い方”の変化です。今回は、加齢による置き忘れ …

【お薦め本の紹介】偽善医療

『偽善医療』は、日本の医療の「当たり前」を一度立ち止まって見直すための一冊です。がん検診や薬の使い方、ワクチン、医療費の仕組みまでをエビデンスの視点で丁寧に検討し、「何が本当に患者のためか」を静かな語り口で考えさせてくれ …

長谷川嘉哉監修シリーズ