喜怒哀楽を司る大脳辺縁系では、扁桃核というアーモンド形の小さな脳で快・不快の感情が発生します。
また扁桃核と密接な関係を持つ視床下部が感情表出に重要な働きをしている事も明らかになっています。
そして海馬は記憶を介して感情を示す反応に関係しています。
感情は五感から伝達された情報に対して大脳辺縁系かおこす行動といえます。
つまり大脳辺縁系は、人や物事の好き・嫌いを判断している非常に重要な器官です。
人間は、快感や喜びを感じるものには“接近行動”を起こし、不快感や怒り・恐れや悲しみを与えるものには“攻撃的または逃避行動”を起こし遠ざかります。
認知症の患者さんが、記憶が薄れても感情は残るという事実も、脳の3層を理解していればとても納得できます。
つまり認知症により大脳皮質の機能が落ちても、大脳辺縁系の機能である“感情”は残っていくと考えられるのです。