血圧は、年齢とともに上がります。
その中でも、遺伝的素因を持った人は
50歳前後で、高血圧を発症します。
そのため、降圧剤がない時代、
高血圧の素因を持った人は
50歳前後で亡くなっていたのです。
昔は、日本人の死因の第一位は脳血管障害。
中気、中風ともいったものです。
高血圧を放置して、50歳代で死去。
結果、戦後しばらくは平均寿命が60歳前後で推移していたのです。
現在は、脳血管障害は死因の3位。
平均寿命が80歳を超えたのも
やはり適切な血圧のコントロールのお陰と言えます。
外来で50歳前後の女性に
『血圧が高めですね』とお話しすると
不思議とみなさん同じ言葉を発せられます。
『昔は、私は低血圧だったのよ!』と少し不満げです・・
一般に、低血圧とは、最高血圧が100mmHg未満をいいます。
10代~30代の若い女性の約20%、
小・中学生の約5~10%は低血圧だと言われています。
“ですから、昔は低血圧だったかもしれません・・
しかし、それは若い女性の話で・・
今はそれなりに年を取って・・
動脈硬化変化も出てきて・・・
高血圧の遺伝素因もあって・・
現実に、高血圧なんですから・・・”
をマイルドに、気を悪くしないようにお話しするのは
結構、気を遣うものです。
やはり、女心は難しいものです。