眠気覚まし・医師が勧める効果的な方法…今話題のイチョウ葉エキスも

眠気覚まし・医師が勧める効果的な方法…今話題のイチョウ葉エキスも

食事をした後、特に昼食後は眠気が起こりがちです。そんな時に限って、会議や打ち合わせが入っているものです。そうなると、眠気との戦いで、内容どころでなくってしまいます。その結果、仕事の効率も落ちてしまいます。昼間の眠気を予防する最も有効な方法は、夜間の睡眠時間を確保することが最も有効ですが、今の時代、睡眠時間は逆に短くなりがちです。

そんな方のために、今回の記事では、大事な仕事の際に活用できる眠気覚ましの方法を脳神経内科医の長谷川嘉哉がご紹介します。

目次

1.眠気はなぜ生じる?

食後には、なぜ眠気が生じやすいのでしょうか?

1-1.血液が消化に集中するため

食後には、食べたものを消化するために、血液が消化管に集中します。そのため、脳への血流量が低下することで眠気が生じやすくなります。

1-2.副交感神経優位になるため

仕事中は、交感神経が優位に働くために、眠気は感じないものです。しかし、食事をして、消化管が働く際には、副交感神経が優位になります。そうなると、人間は眠気を感じやすくなるものなのです。仕事が忙しく、ストレスがたまると、冷たいビールを飲み、焼き肉が食べたくなるのは、身体が交感神経を休め、副交感神経優位にしたいがための一つの反応なのです。

1-3.脳の防御反応

疲れやストレスが溜まって、脳を酷使しすぎると、防御反応が現れます。睡眠物質プロスタグランジンD2が増えることで、睡眠中枢が刺激され、昼間でも眠気を感じるのです。

MRA Brain or Magnetic resonance angiography (MRI) of Vessel in the brain sagittal view.
食後は脳への血流が低下します

2.可能なら仮眠

眠気が襲ってきたときの有効な方法は可能なら、仮眠をとることがお勧めです。私自身も、毎日15分程度の昼寝をすることで、午前中の診察の疲れはすっきり取れて、午後の訪問診療に出かけることができます。

実は、国立精神・神経医療研究センターの調査によれば、「30分程度の定期的な昼寝」の習慣はアルツハイマー病のリスクを20%にまで減らすと言われており、認知症予防にも有効です。ただし、1時間以上の昼寝は認知症のリスクを高めるので注意が必要とのことです。

3.仮眠できない場合の方法とは

しかしながら誰でも仮眠が取れるわけではありません。仮眠を取れない方にお勧めの方法をご紹介します。

Office employee taking a break
オフィスで仮眠をとることが一番ですが、なかなかできない方も多いでしょう

3-1.運動

眠気を改善するには、脳への血流を増やすことが大事です。そのためには、可能な限り身体を動かすことです。特に、肩や首周りを意識して動かすことで脳血流が有効に増えます。なお、その際には、深い呼吸を意識するとより効果的です。

3-2.ガムを噛む

噛むことは、脳自体を刺激するだけでなく、脳への血流が増加します。一嚙みで脳への血流が3.5ml増えることもわかっています。そのため、ガムを噛むことがお勧めです。ガムの成分には、ミント系やカフェインが含まれているものであればより効果的でしょう。

3-3.1分間目を閉じる

1分間程度の短時間でも目を閉じると、外部からの情報が遮断され、脳を休ませることができます。私は、外来中などに結構使っています。試してみると、1分間が結構長い時間であることが分かります。1分後に目を開けると頭がすっきりしているものです。

4.ツボ押しも有効

ツボを押さえることも有効です。そのことで血流が増えたり神経の動きを整えることができます。ここで取り上げるツボは、私の著書で13万部売れた「親ゆびを刺激すると脳がたちまち若返りだす!」からご紹介するものです。


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4-1.指のキワもみ

指先は、動静脈吻合と言って動脈と静脈が組み合わさっている場所です。指のキワを揉むことで、全身の血流を増やすことができます。左右10本の指先のキワを揉んでみると、終わるころには、眠気が改善されます。

Massage of a hand
指のキワ

4-2.労宮(ろうきゅう)を押す

労宮は手のひらの真ん中にあるツボです。自律神経の働きを整えることで体の疲れやストレスを軽減します。労宮を反対側の親ゆびで押すとより有効です。押す側の親ゆびの運動やと、押される側の手のひらの心地よい痛みが感覚野への刺激となり脳を活性化させ眠気を改善します。

Massage of a hand
労宮(ろうきゅう)

4-3.合谷(ごうこく)を押す

合谷は、人差し指と親指が合流する根元から少しだけ人指し指側にあるツボです。合谷はツボの中でも最も脳に刺激が伝わりやすいツボと言われています。両手の合谷を刺激することで眠気が改善します。

Pressure point
合谷(ごうこく)

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5.薬効成分を使う

ときに、薬効成分の力を借りることも有効です。

5-1.カフェイン

カフェインは、脳を覚醒させ、集中力を高めます。フェインは、脳を覚醒させる効果や集中力を高める効果があります。コーヒーや緑茶、紅茶、ココアにも含まれますが、即効性を期待する場合は、栄養ドリンクがお勧めです。リポビタンDなどの多くの栄養ドリンクには、無水カフェインが50mg含まれています。この量は必要最小限でお薦めな量です。

一方で、カフェイン量が過剰な製品には注意してください。例えば、モンスターエナジーには144㎎、ロックスターで120㎎、レッドブルには80㎎のカフェインが含まれています。通常の眠気覚ましには、カフェインは50㎎で十分です。

5-2.イチョウ葉エキス

イチョウ葉エキスは世界60か国以上で使用され、ドイツでは医薬品として販売されていて、記憶力の減退やうつ、めまい、耳鳴り等に使われています。私も、外来で希望される患者さんやご家族に購入していただいています。特に脳血流量の改善効果が強いため服用されているご家族からは、眠気が取れるとの声をいただいています。

中には、会議の前には必ず服用するとおっしゃる患者さんもいるのです。カフェインは副作用が心配という方には、イチョウ葉エキスもお薦めです。眠気が改善するだけでなく認知症も予防できる、まさに一石二鳥です。

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イチョウ葉エキスBr

6.まとめ

  • 食後には、血流および自律神経の働きで眠気が誘発されます。
  • 運動や目を閉じたりツボを押したり、眠気の改善にはいいろいろな方法があります。
  • 認知症を予防するイチョウ葉エキスも、脳血流改善効果より眠気を改善する効果があります。
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