正直に言いますと、ご紹介する書籍『ストーリービジョンが経営を変える』は、本当は経営合理化協会のホームページで、西田文郎先生の『強運の法則』と間違って購入したものです。しかし、返品する気になれず、1年ほど本棚においてから、読み始めすっかり夢中になってしまいました。
経営者はビジネスにおいて深い思い入れを持っているものです。しかし、スタッフには全く伝わっていません。この本は、そんな経営者の願望や熱いも思いを皆に伝わるように、具現化する方法が学べます。具体的には人の感情に訴え、イメージが想起できるようになります。コツは具体的な数字は入れないことです。変に数字を入れると経営計画のようになり、思考が停止してしまうのです。
実際に試したところ、効果が凄いのです。まさに本に書かれた「自分の夢を人に語ることは、その夢の実現を加速させる力がある」のです。
本で紹介されていた一例に、家を売るという仕事があります。仕事自体それだけで考えればつまらないものです。しかし、家族が家を購入したことでどんな楽しい生活を過ごしているかが具体的なストーリーとなれば、販売員のモチベーションは飛躍的に上がります。
私も自分のスタッフに訪問リハビリをやってどんな効果が上がるのか、重度通所介護をやることでどんなメリットがあるのかを文章にして、やる気を引き出してもらった経験があります。
なかでも私の最高傑作だと思っているのは自分の人生の最後をストーリーにしたことです。家族の前で話したところ、3人娘たちが号泣してくれました。本当に死んだときは涙も流してもらえないかもしれませんが、一足早く涙を流してもらえました。そんな自分の人生の最後のストーリービジョンの一部をご紹介させていただきます。
昨日の、自分の胸部写真では無数の転移層が認められた。原発は良くわからないが、いまさら調べるのもやめよう。思いの他、呼吸困難が少ないのが幸いだ。しかし、胸水が少量だが認められる。3ヵ月後にはかなり増加して、苦しくなるだろう。モルヒネの処方をお願いしよう。主治医に十分にお願いしておいたから、問題はないだろう。最後は、少し意識が落ちても構わない。3日ぐらいは、オムツのお世話になるだろう。家族の皆さん、お願いします。
血圧が下がっても、娘達はいつもの生活を続けなさい。心臓・呼吸が止まっても慌てないように。落ち着いて、事故のないように我が家に向かってください。死後処置には、孫達も参加してください。人間の死をしっかりと見つめてください。お母さんの事をよろしくお願いします。人とのつながりを感じ、自己実現の充実感に満たされた良い人生でした。皆に感謝します。
是非、皆さんも自分の死だけではなく、ビジネスにおいても「ストーリービジョンが経営を変える」活かして見て下さい。値段は高価ですが、投資価値の高い本です。お薦めです。