最近は、脱毛がブームというより、身だしなみの一つとさえなっています。性別も女性だけでなく、男性も髭から、胸毛、すね毛など全身が対象になっています。さらに、将来のために、白い毛が混じる前に、陰部の脱毛をする介護脱毛も増えています。介護脱毛については以下の記事も参考になさってください。
実際、当院のスタッフでも全身脱毛を行った方がいます。介護以前に、「生理の際とても楽」と好評です。それほどに、ポピュラーになりつつある脱毛ですが、先日、てんかんの患者さんから、「脱毛は大丈夫ですか?」と質問を受けました。なんと、クリニックによっては、てんかんの病名があると脱毛を断られることがあるそうです。
その理由としては、脱毛で使われるレーザー照射がてんかんを誘発するからと言われています。しかし、てんかんの中で光刺激が原因であるケースはわずかです。それ以前に、レーザー脱毛の際は、患者さんは目をゴーグルで保護して、光は見えないようにしますので発作がおこる可能性はありません。このような、間違った情報での脱毛が拒否される理由はありません。
それ以上に、てんかん発作が薬によりコントロールできていることが重要です。少なくとも、2年間発作がなければ車の運転さえも問題はありません。脱毛治療などは、全く問題はないのです。私の患者さんは2年以上、発作もなく良好にコントロールされていたため、「脳神経内科専門医として脱毛は問題ない」と伝えさせていただきました。
もちろん、服薬している薬によっては、光線過敏症のリスクを指摘されることもあります。これは、抗てんかん薬だけの問題だけではありません。それどころか、服薬歴がなくても起こる問題です。適宜、レーザー治療を行いながら判断すれば問題ありません。もちろん、光線過敏が認められれば服薬の種類・有無に関わらず、施術は中止となります。