キッコーマン醤油卓上瓶、特急電車「成田エクスプレス」、秋田新幹線「こまち」、ミニストップのロゴマーク等を作った工業デザイナーの栄久庵憲司(えくあん けんじ)さんがお亡くなりになりました。医師という仕事がら、デザイナーの方とはあまり縁がありません。しかし昨年、取り組みに対してグッドデザイン賞を戴いた“社団法人ケアリングデザイン”の理事になってからは、多くのデザイナーの方と御縁をいただいています。その中でも、栄久庵さんが設立されたGKデザイングループの方々との会議は、とても印象的でした。
物事を具現化するためには、「目標設定型」と「展開型」の手法があります。私は、デザインは、関心のあるもの、強く興味を惹かれるものをこなしていく中で、結果的に目標が達成される『展開型』なのだ思っていました。
しかし、実際の会議は極めて論理的に進められ、実験系の組み立てに近いほど理路整然と進められていくのです。まさに目標を設定して計画を立て、タスクをこなしながら実現していく、“目標設定型”なのです。現在GKデザイングループは、国内8社、海外4社の計12社にまで発展しています。やはり、伸びていく集団は、「目標設定型」と「展開型」のそれぞれの良い点を取り入れながら成長していくのだと感じました。
最近勧められた本に、“社長 そのデザインでは売れません”があります。本の中では、“経営はデザインそのもの。デザイナーも経営者もビジネスのクリエイター”と表現されています。経営者としてデザインとは縁がなかった自分が、関わりを持つ機会になった、“社団法人ケアリングデザイン”に感謝です。