自分自身がADHDであるということは分かっていました。しかしこの本を読むことで確信に変わり、あらたに特性や対応策を学ぶことができました。ADHDは世の中には数%は存在するのですが、起業家に限定するとその割合はかなり上がると思います。
- ADHDが問題でしかないなら、進化の過程でADHDの人は消えていたはずだ。
- 実際、スウェーデンでは人口の5~ 10%がADHDだとされているほどいるのだ[日本の場合、国立精神・神経医療研究センターによると学童期の子供の3~7%、成人で2・5%が診断に該当するという]。
- ADHDが有利だったのは歴史上の話にすぎないわけではない。今でも〈強み〉になるのだ。クリエイティブで実行力があることは研究でもわかっていて、起業家にADHDの人が多いのも不思議はない。
- 今私たちが存在していられるのもADHDの人たちのおかげだ。人間がアフリカを離れ、地球を丸ごと植民地化できたのだってそうだ。
- 基本的には集中力、多動、衝動という3つの分野で問題が起きている。
- 子供の頃からADHDの症状があった人の半数以上が大人になっても症状が残っている。ただし大人の場合は表れ方が少し違っていて、「多動」は落ち着くケースが多いが「集中力」の問題が残っている
- サバンナでは〈強み〉だった特性が教室やオフィスでは〈問題〉になるのだ。
- DHDが遺伝性だからだ。あなたがADHDなら親もその可能性が高い。
- この遺伝子を持って生まれた人は脳にドーパミンの受容体としてDRD4-7R、ひいてはあまり活性化しない報酬系を持っている。そしてADHDになるリスクが他の人より高い。
- 学校でみんなが面白いと思うようなことが自分には退屈で退屈で……
- 例えば仕事中毒だ。仕事をしている最中が一番楽しい。
- 別の例としてはクリエイティブな面が表に出る人だ。何かを生み出したいという意欲が芸術レベルに達することもある。
- 実際ADHDの人にはアルコールやドラッグの乱用が多く見られる。むろんADHDだからといって全員が薬物を乱用するわけではないが、人一倍気を付けておきたい点ではある。
- ADHDの人の数は国によって異なり、南米は最も多い地域だ。一方でアジアはDRD4-7R遺伝子を持つ人が非常に少ない。
- ADHDは集中しづらい他に衝動的でもあり、考える前に行動してしまう。
- 優秀な狩人と優秀な農耕民の特徴がまるで逆なのは一目瞭然だ。そして現代社会で重宝されるのは狩人ではなく農耕民の特徴を持った人の方だ
- モーツァルトの伝記を読むといくつか顕著な特徴が描写されている。エネルギッシュでじっとしていられない、すぐに気が散る、衝動的、要求が高い、権力を恐れない──。
- 私の患者の多くも「常に刺激や考えが渦巻いている」
- 衝動を抑制できる人はクリエイティブな考えも抑制してしまっている可能性がある。
- 創造性という見地から考えると、ADHDの特徴を持つ人が仲間内にいることがポイント
- 全員がADHDだと大混乱になるだろうが、数人のグループに1人いると違いが生まれる。
- ADHDの人々には「けっして手の届かない痒み」がある
- 根拠となる研究結果はないものの、ADHDに一番良い薬はクリエイティブなことに取り組むことだと思う。いや正確に言うとこれは薬ではない。ADHDの特徴を抑え込む代わりに〈強み〉として活かすのだ。
- ADHDの人の多くは充分に興味深くて継続的にごほうびをもらえるならばハイパーフォーカスすることができる。
- ADHDの患者の多くが起業家であることによく驚かされる。じっとしていられない、リスクを冒しがち、エネルギーレベルが高いといった特徴はまさに優秀な起業家のためにあるようなものだ。
- 私がADHDの人に多く見てきた特徴がある。権威に対して一切敬意を持たず、とにかく最高の解決法にこだわるところだ。
- 何より重要なのは自分の〈弱み〉を補完してくれる仲間を見つけたことだろう
- 運動をするとドーパミンレベルが上がる。特に運動をした後にだ。 15 ~ 60 分後に最高潮になり、心が落ち着き集中できるようになる。
- 集中力と気分が改善することを無意識に感じていて運動を続けているのかもしれない。ハードな運動をする人にADHDが多いのは偶然ではない。
- 何よりもADHDの〈弱み〉を手なずけ、〈強み〉を自分なりの形で活かすことだ。
- 多動、衝動性、集中困難──どれもADHDの典型的な特徴で、サバンナで暮らしていた時代にはそのおかげで獲物を捕え、肉食動物から逃げることもでき、大きな〈強み〉になっていた。しかし同じ特徴が現代の学校や職場では〈弱み〉になってしまう。一方で実行力があること、斬新なアイデアを思いつけること、ハイパーフォーカスできることなどもADHDの特徴で、現代社会でも素晴らしい能力として活かすことができる。


認知症専門医として毎月1,000人の患者さんを外来診療する長谷川嘉哉。長年の経験と知識、最新の研究結果を元にした「認知症予防」のレポートPDFを無料で差し上げています。