要注意!・・認知症患者さんへの総合感冒薬

2015-01-26

“先生、少し鼻水がでるので風邪薬を貰えませんか?”、これは外来で良くみられる会話です。熱や咳といった、“軽い風邪”に対しては、総合感冒薬を処方します。総合感冒薬とは、頭痛・発熱・のどの痛み・筋肉の痛み・咳・くしゃみ・鼻水・鼻づまりといった、いわゆるかぜ症候群の緩和のために解熱鎮痛剤と咳止め・去痰薬・抗ヒスタミン剤などを複合した医薬品です。確かに風邪の初期に服用すると良く効きます。

しかし、認知症の患者さんへの総合感冒薬には注意が必要です。先ほどの説明のように総合感冒薬は、鼻水を止めるために抗ヒスタミン剤が含まれています。抗ヒスタミン剤には眠気を誘発する作用があるため、結構な頻度で混乱、せん妄、徘徊といった副作用が現れます。具体的には、意識がもうろうとしたり、大声で騒いだり、夜間に徘徊し続けるといった症状が現れます。

先日も、近医で総合感冒薬を処方された患者さんが、一晩中大声を出して、歩き回ったといって受診されました。家族からは、症状を抑制するような薬を希望されましたが、とにかく総合感冒薬の服薬を中止するようお願いしました。薬が処方されないことに、ご家族は不安気でした。しかし結果は、中止した夜から落ち着かれました。


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総合感冒薬は、認知症を理解されていない医師からは、極めて普通に処方されます。(ちなみに薬品名としてはPL顆粒やPA錠です)もちろん、一般の人が服薬するには、まったく問題ありません。

認知症患者さんの精神状態は、極めて不安定な状態ともいえます。認知症の患者さんには、38度以上の高熱を発する時や、下痢等で食事がとれないとき以外は、様子を見ることがお薦めです。認知症のご家族の方には、是非知っておいていただきたい知識です。

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