【お薦め本の紹介】長谷川嘉哉4年ぶりの新刊『認知症は決断が10割』【鉄拳さんがイラスト】

【お薦め本の紹介】長谷川嘉哉4年ぶりの新刊『認知症は決断が10割』【鉄拳さんがイラスト】
2025-03-19

本日、2025年3月19日に拙書「認知症は決断が10割」が出版されました。人生で1冊でも本が出せたらと思っていましたが、ありがたいことに14冊目を出版することができました。イラストはなんと鉄拳さんです。「ボケ日和」のイラストの矢部太郎さんといい、長谷川はイラストの方にもとても恵まれているようです。今回は、「認知症は決断が10割」から紹介させていただきます。

目次 [非表示]

1.認知症は決断の連続

認知症は決断の連続です。その決断次第によっては、認知症介護は天国にも地獄にもなるのです。多くの皆さんが後悔しない決断をするために以下の章に分けて具体的に紹介しています。公的な機関では決して教えてもらえない情報が満載です

  • 最初にしてほしい、もっとも重要な決断
  • 「家族の認知症に気づいたとき」にする 決断
  • 「要介護認定を申請して、ケアマネさんに頼る」決断
  • 「お金」にまつわる 決断
  • 「介護サービス」「介護施設」の利用にまつわる 決断
  • 「患者さんの最期 」にまつわる 決断

2.コラムも充実

各章以外にもコラムも充実しています。この本でしか知れない貴重な話です。

  • 1人で介護している男性こそ、外部の力を頼ることを覚えて!
  • ケアマネ資格を持つ認知症専門医が教える 良いケアマネの3条件とは?
  • 介護認定を受けたら、「障害者控除」で、お得に節税しよう!
  • 親と同居の方は必見!「世帯分離」で介護費用が安くなる?
  • 遺された奥さんは、遺族年金だけでは暮らせない!?

3.おわりに

著者は本に対する思いを「おわり」に書きます。一部、抜粋させていただきます。

本書の最後に、何を書くか。一緒に伴走してくれた編集のTさんと、そのことについて話していたとき、「定番はやっぱり、介護の感動話ですけど」という話がチラリと出ました。そこで、最近私が立ち会わせてもらった多くの看取りを思い返してみたのですが、びっくりしました。そんな話が、ほとんどないのです。これ、うちのクリニックの患者さんのケースだけかもしれませんが… …。

不要な延命をまぬがれた患者さんは、実におだやかな終焉を迎えます。老いた木が音もなく静かに枯れていくように、魂が少しずつ空気に溶けていくように、個人としての存在を自然の中にほどくようにして、ご自身の人生からスーッと退場なさいます。そこには自然の営みとしての「ごく当たり前の死」があるだけで、大げさなドラマはありません。おわりに旅立ちを見送るご家族のほうにしても、やっぱり大きなドラマはありません。


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そこには心が千々に乱れるような大げさなドラマもなければ、感動話もないんです。これって、実はすごいことだと思います。なぜなら、介護の感動話がないということは、介護の美談がないということです。この本の最初のほうでお伝えしましたが、介護の美談の陰には、たいてい犠牲になって苦しむ誰かがいます。介護の美談が減っているということは、つまり、犠牲になる誰かが減っている。そういうことだと思うのです。長年、認知症介護の現場に関わり続けてきた私からすると、こうした美談のない介護こそが、正解なんじゃないかと思えます。

大丈夫です。感動話にも、美談にも繋がらない。そんな介護の「決断」を、あなたが勇気を持って重ねていくこと。その勇気が、患者さん、あなたの家族、あなた自身を守ります。同時に、あなた自身が、介護する誰かに、感動話や美談を求めずにいること。それができれば、日本の介護全体が、今よりずっと軽やかになっていくはずです。感動話でも、美談でもない介護が、これからの日本に益々広がることを願っています。

4.まとめ

  • 認知症は決断の連続です。その決断次第によっては、認知症介護は天国にも地獄にもなるのです。
  • 決断のための正しい情報は決して公的機関からは得ることはできません。
  • 後悔のない決断をすると、そこには感動話や美談はありません。これこそが日本の介護の現場で広がることが理想です。
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