情報を脳内に記憶として保存するにはいくつかの段階があります。
たとえば電話番号などの数字を数秒間覚えるような、極めて短時間の記憶を、即時記憶といいます。
これは大脳皮質前頭葉を中心に行われます。
通常ではこのような電話番号はすぐに忘れてしまいます。
しかし、これが大切な相手の電話番号となると覚えておこうとします。
“大切である”という情報とともに海馬に電話番号の情報が入っていきます。
この情報は海馬の中にとどまり、何らかの情報の処理と符号化が行われます。
この期間は数秒から、数分、数時間、数日かかるといわれます。
2年間も留まる情報もあるともいわれています。
この段階を短期記憶と呼んでいます。
記憶にかかわる信号が海馬の中にとどまっている間に、脳に蓄積されている他の記憶情報と関連づけられて新しい記憶として大脳皮質に蓄積され、これが比較的長く保たれる記憶となります。
この段階が長期記憶です。
つまり、即時記憶を短期もしくは長期記憶化する事が重要です。
具体的には、復習です。
一度聞いたり読んだりした情報を、即時記憶が完全に消失する1週間以内に、再度復習します。
そうすると記憶は短期さらには長期記憶化することで長く留まる事になります。
認知症や物忘れの予防のためにも、常に情報の復習がお薦めです。