そろばんは、左右の脳をバランスよく使います

2015-03-11

そろばんはいろいろな形で脳に刺激を与えます。一つ目は「指を使う」と言う作業です。指は、大脳の運動支配領域の中で極めて広い面積を占めていて、指を使うことは、脳の活性化を促します。二つ目は、そろばんを弾く音です。パチパチとリズミカルな音を、耳で確認しながら計算していきます。特に聴覚で得た情報は側頭葉に入り、左右両側の脳が刺激されることがわかっています。三つ目は、脳の活性化です。「難しい計算や理論を解くよりも、簡単な反復計算を続ける方が効果的」と言われています。そろばんの「日々こつこつと練習を積み重ねる」学習スタイルに一致しています。さらに、「読上算」(よみあげざん)は効果的です。耳を緊張させながら、聞いた数字を頭の中で玉に置き換え、目で確認しながら弾く作業は、脳のさまざまな機能を活性化させます。さらにその作業に、正解した時の達成感が加われば、まさに扁桃核まで刺激してくれます。

「右脳を使いましょう」と、よく耳にします。正しくは、「左右の脳をバランスよく使うことが大切」と言うべきです。右脳を使うという点では、珠算も右脳が働いていることが知られています。最先端の機器で調べてみると、そろばん熟練者が暗算をしている時、左右の脳がバランス良く活発に使われていました。一般の人が左脳で計算するところ、そろばんでは左右の脳をバランスよく使っているのです。そろばんはまさに、脳の発育や熟年者の脳の機能維持に理想的な方法と言えるでしょう。

私の患者さんでそろばんの先生が見えました。脳梗塞で左脳を損傷しため紙に書いた計算はできなくなりました。しかし、“読上算”で頭だけで計算すると以前と同様の計算が可能でした。昔から、“読み書きそろばん”が重要と言われますが、脳の働きを考えても有用なのです。

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