そろばんは、最新の「タンジブル・ビット」

2015-03-13

川島蓉子さんの『社長、そのデザインでは売れません』の中で、マサチューセッツ工科大学(MIT)教授石井裕さんが、「タンジブル・ビット」(Tangible bits)を紹介していました。「タンジブル・ビット」とは、既存のコンピュータの概念を一新し、形のない情報を直接触れることができる(タンジブル)ようにした、より実体感のあるインターフェースです。かたちのない情報を実体のあるものにして、人間とコンピュータの距離を縮めることができます。

「タンジブル・ビット」には以下のようなものがあります。

・ クリアボード : 透明な板に、文字や絵を描くことで、遠隔地の同じ板にもそれを表示させることができる。

・タンジブル防災シミュレータ : 地図上に駒を置き、その駒をスイッチのように回したり、位置を変えることによって避難所の位置・災害発生地点・災害規模などを変更でき、実際の災害時に避難が可能かどうかなどをシミュレートできる。

・ミュージックボトル : 台座の上に瓶を置き、その蓋を開けると、録音されていた音楽などが再生される機器。瓶ごとに内容を変えることができ、複数の楽器の演奏を収録して合奏させることなども可能。


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実は上記以外に、石井さんはこんなことを言っています。これだけコンピュータが発達したんです。リアルなものと同じように、マウスやキーボードを介さずに、直接手を使って操作できるようになったほうが絶対いいぞ、そう思ったのが発端です。そこでね、ヒントになったのが、「そろばん」です。そろばんは10進法というヴァーチャルな情報を「そろばん」という具体的な道具でメカニカルに表現している。入力・演算・出力のすべてが目に見えて実感できますよね。いわば四則計算というヴァーチャルなものを、手で触って実感できる。これって、まさにタンジブルなインターフェースを持っているメディアと言えませんか?」

視点を変えると、そろばんは最新の「タンジブル・ビット」であるようです。

 

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