患者さんの家族から、
『おばあちゃんは
都合の悪いことは聞こえなくて
都合の良いことしか聞こえない」
と言われることがあります。
これは医学的に説明できます。
老人性難聴では、高いほうの音から聞き取りにくくなります。
特に「サ行」や「タ行」などの音の高さは、2000~3000Hzと、
日常会話のなかでは、高い音域に属します。
そのため、相手が話した言葉とは違う言葉に聞こえるようになります。
例えば、
「タカイ」と発音したのにも「ハカイ」と聞こえる・・
その上、音と音の区切りがわかりにくくなるため、
早口で話されると、スピードについていけません。
ご家族が、一生懸命説明しようとすると
早口で声が高くなります。
そのため
ますます通じません。
逆に、
陰で、悪口を言うときは
“低い声で、ゆっくり”話すために
高齢者には聞こえてしまうのです。
つまり
“悪口を言うがごとく
低い声で、ゆっくり伝えること”が
大切なんです。