歌川国芳展

平成24年1月25日(水)、東京で午前中に打合せがありました。

午後に時間があいたため美術館を巡ってきました。

最初に六本木ヒルズ森タワー52階の森アーツセンターギャラリーで没後150年歌川国芳展を訪ねました。

平日の昼間というのに凄い人です。

その上、浮世絵は絵が小さいため、近くに寄らざる得ないため、会場内は満員電車のようでした。

歌川国芳は、画想の豊かさ、斬新なデザイン力、奇想天外なアイデア、確実なデッサン力を持ち、浮世絵の枠にとどまらない広汎な魅力を持つ作品を多数生み出した絵師です。

会場では、不遇の時代を送っていた国芳が、一躍脚光を浴びた武者絵、説話、役者絵、美人画、子ども絵などどれも素晴らしいものでした。

しかし何より、素晴らしかったのは、戯画です。

これは、天保13年(1842年)には老中水野忠邦が行った天保の改革の一環として、役者・遊女・芸者などの絵を出版することが禁じられたことによるものです。


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錦絵の版元たちは大きな打撃を受けました。

しかし、この禁令に負けることなく、かわりに出版された戯画や子ども絵の分野で国芳は縦横無尽に筆をふるい、機知に富んだアイデアに富む作品を多く描いたのです。

戯画の種類は様々ですが、擬人化された動物や器物などは、表情や仕草にいたるまで江戸っ子の生態そのもので、滑稽であるばかりでなく、権威を嫌う江戸っ子の特徴も反映されているかのようです。

どのような環境でも、その中で最高のものを描き上げた歌川国芳の姿勢は素晴らしいと思いました。

この国でこれから起こる乱世で生き抜くための姿勢に、気づきかせてくれた、歌川国芳展に感謝です。

                  猫の絵by歌川国芳

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