平成24年1月25日(水)の午後は、森アーツセンターギャラリーの後には、渋谷区広尾の山種美術館を訪ねました。
山種美術館は、山種証券(現・SMBCフレンド証券)の創始者である山﨑種二が個人で集めたコレクションをもとに、1966(昭和41)年7月、東京・日本橋兜町に日本初の日本画専門美術館として開館しました。
種二は「絵は人柄である」という信念のもと、横山大観や上村松園、川合玉堂ら当時活躍していた画家と直接交流を深めながら作品を蒐集し、奥村土牛のように、まださほど知名度は高くなくとも将来性があると信じた画家も支援しました。
そして、「世の中のためになることをやったらどうか」という横山大観の言葉をきっかけとして、美術館を創設するに至ります。
その後も、二代目館長・山﨑富治とともに、旧安宅コレクション*の速水御舟(1894-1935)作品を一括購入し、東山魁夷らに作品制作を依頼するなど、さらなるコレクションの充実を図りました。
私は、ラストバンカーby西川善文さんを読んで安宅コレクションの存在を知り、大阪市立東洋陶磁美術館まで東洋陶磁器を見に行きました。
実は、今回の山種美術館訪問も安宅コレクションの中の速水御舟の作品を見ることが最大の目的でした。
皆さんも、美術の本に載っていた、以下の速水御舟の『炎舞』に見覚えはありませんか?
実物は思いの他小さい印象でしたが、迫力は素晴らしいものでした。
速水御舟の作品はもちろん、その他の収蔵作品も素晴らしいものでした。
改めて、東洋陶磁器と速水御舟作品を中心とした安宅コレクションの素晴らしさには感動しました。
そしてそれらを購入するだけでなく、「美術を通じて社会、特に文化のために貢献する」という理念のもと美術館をつくってしまう山種証券創始者の山﨑種二さんにも感服です。
素晴らしいコレクションを集められた安宅英一さん、さらに山種美術館を作られた山崎種二さんに感謝です。
班猫by竹内栖鳳 炎舞by速水御舟