【お薦め本の紹介】やっぱり売れる人は違う!『完売画家』

【お薦め本の紹介】やっぱり売れる人は違う!『完売画家』

「完売画家」という不思議な言葉に惹かれて読み始めた本です。日本のアートマーケットは日本のプロ野球市場より大きいことには驚きでした。その中で、プロとして生きて描く絵はすべて売れてしまうのが著者の中島健太さんです。そんなプロの方の言葉は、アートの世界には関係ない人達にも十分役立つものです。お薦めです。

  • 若手画家は「絵で食えないのは自分のせいじゃない」と考え、教授は「プロの画家が育たないのは自分のせいじゃない」と考え、ギャラリストは「絵が売れないのはギャラリストの営業力のせいではない」と考えるようになる悪循環に陥っている
  • 人は「できない」と思っているうちはできませんが、「できる」と思った瞬間に脳のセッティングが変わって、できるようになる。
  • よい芸術にふれたときもそうです。自分の頭で考えていることとは無関係に、鳥肌が立ったり、涙を流すこともあるかもしれません。
  • 感性は育ちます。というより、育てるもの
  • 美大に入って衝撃を受けたのは、「プロになる方法」を誰も教えてくれないこと
  • 振り返ってみると、競う人が少ない、あるいはいないところで戦うのが僕の人生の戦略です。
  • 美大生の頃は、当たり前に大きな作品制作を課されますが、マーケットでは真逆
  • 絵を売る場所は「ギャラリー」「百貨店」「独自路線」の3つ
  • 世の中は、すばらしい作品であふれています。才能の片鱗がある程度では、力のあるギャラリーは見向きもしてくれません
  • 「作品が売れる」ことは、「自分以上に自分の作品を大事にしてくれる人に出会うこと」だと思っている
  • 「見る」と「見つめる」は違います。見るは、漠然と見る。見つめるは、どうやって描いているんだろうという分析が働き、こうやったら描けるだろうと仮説を立てる。
  • プロの料理人は、そこに対する客観性がものすごく高いのです。 つまり、自分が食べておいしいという主観ではなく、誰が食べても「おいしい」と感じる客観視する力が高い。 絵も同じです。模写の場合は、誰が見ても違和感なく「同じ」に描けている必要がある
  • 僕は、プロとして生きることはキャンプファイヤーに似ていると感じています。まずは火をつけるところがスタートです。そのときに着火剤があったほうが、火は簡単につきます
  • プロであることは、この火を絶やさないことです。着火剤はすぐに燃え尽きてしまうので、燃料を足し続けなければならない。火をつけたあと、自分だけで火を燃やそうとするのではなく、信頼できる人に任せられるようになれば、火はより大きくなる
  • 個性を伸ばせ」「自己を確立せよ」といった個性偏重型の教育は、間違っています。 18歳、 19歳でやりたいことがなくても、何も悪いことではない
  • 代表作として広く知られていますが、じつはモネが「睡蓮」を描き始めたのは 50 代後半、 58歳になってからです。紆余曲折を経て、たどりついたのが「睡蓮」
  • 「かわいい」は世界共通の感覚であり、歴史に残るアーティストの描く絵は、じつは非常に「かわいい」作品が多い
  • 「ポケモン」の年間市場規模は3000億円、ハローキティは時に4000億円を超えるといわれています。日本のアートマーケットも年間3000憶円。ちなみに日本のプロ野球の市場規模が2000億円程度
  • そら豆型は、ひとつのヒントです。スヌーピー、ピカチュウ、クレヨンしんちゃん、奈良美智さんの描く作品もそら豆型。そら豆型には、何か人を惹きつける秘密があるのかもしれません
  • 女性像であれば、あまりにも笑っている絵やあまりにも泣いている絵よりも、どちらともいえない表情を描くことが多いなぜなら、作品がそれを見る人の想像力を刺激する窓の役割を果たすのがいちばんいいと思う
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