西村先生のアトリエには、まるで水墨画のように簡単な線で描かれた絵も飾られていました。これはパリに渡った当時、絵を購入されたお客さんにプレゼントされていたようです。これがとても素敵なんです。絵を添付したのでご覧ください。
西村先生は、スケッチに行っても簡単に概略を描いて、大部分はアトリエで仕上げたようです。その中で、長女さんから面白い仕事の進め方を伺いました。なんと、10点ほどの絵を同時進行されていたようです。決して一点に集中するのではなく、10作品のバランスを取りながら結果的に1か月ですべてを完成させていたようです。
画家も単に描きたい絵を描いていては評価されません。同じ題材ばかりではマンネリと言われます。といってあれもこれも描くと個性がないと言われます。まさに努力の選択と分配が大事なのです。
西村先生はこのような仕事の仕方をするため、結果的に“多作”であったようです。このことは、画廊からすると一点あたりの価値が下がるので好まれなかったようですが、西村先生は意に介さなかったようです。ちなみにピカソは、生涯におよそ1万3500点の油絵と素描、10万点の版画、3万4000点の挿絵、300点の彫刻と陶器を制作し、最も多作な美術家であると『ギネスブック』に記されています。やはり、どこかでピカソを意識されてたようです。
西村先生と比較するのもおこがましいのですが、自分も自身の4つの法人、3つのNPO法人、3つの社団法人、5社のコンサル、講演と努力を選択と分配をさせています。傍からは大変なように見えるようですが、本人としては、いろいろな経験ができ結構楽しいものです。西村先生の仕事ぶりにまで、好感を持ったお話でした。