皆さん、社会福祉法人、一般社団法人、NPO法人、それぞれの特徴や違いが分かるでしょうか?よく分からなくても、どこか、公的な臭いがしませんか?そのため、このような法人なら寄付をしても安心と思いがちです。簡単にご紹介します。
社会福祉法人は、高齢者や障害者らを受け入れる福祉施設の経営や、保育所の運営などを目的とします。法人税などが非課税で、福祉施設の整備には国・地方から補助があるなど、手厚い保護を受けます。全国に1万9810か所あります。さすがに、作るためにはハードルも高く、理事の監督のもと公益性が保たれる運営がされます。しかし理事自体が地域の名士を集めただけの“形だけの理事会”になると、『理事会が機能せず』、先回紹介したような私的流用するケースもありえます。
一般社団法人ですが、これは最近ハードルが緩められました。資本金も不要、役員の身内制限もありません。そのため、夫婦二人でもすぐに作ることができます。株式会社よりも簡単です。気にしてみていると、営利法人である本業への誘導目的で社団法人を作る”公益法人モデル“が結構あります。はやりの”家元ビジネス”は典型です。
ついでNPO法人です。最近ではすっかり定着した名称です。社団法人に比べると、役員の身内制限が厳しく、役員の1/3以上の身内を入れることができません。株式会社のように利益を分配することができません。社団法人に比べると、公益性は高くなります。
しかしながら、いずれの法人形態も、その気になれば“私的流用”は可能です。そのため、私個人としては、紹介した3法人に寄付することはあり得ません。ただし、これらの3法人を運営する側にはメリットがあります。この3法人には持分という概念がありません。そのため相続の際、理事会が認めれば資金移動無しでおける理事変更が可能なことです。これは相続においては有効な手段の一つだと思われます。