認知症外来ではメモを有効に使ってもらいます。
特に、認知症の幻覚・妄想・易怒性の治療の際はメモが有効です。
これらの症状は周辺症状と呼び
1-2週間の間隔で薬を調整します。
周辺症状がコントロールできるか否か
これで在宅生活が継続できるか否か?が決まります。
医師の”症状はいかがですか?“
この質問に瞬時にこたえることは難しいものです。
治療効果の判定には、全体の頻度が大事です。
例えば、2週間のうちに周辺症状は何日あったか?
仮に、それが2週間のうちのたった1日でも
診察日の前日に周辺症状が強く出ると
強く訴えがちです。
これを防ぐためには、メモを取ってもらいます。
メモといってもカレンダーに○×△をうつだけです。
周辺症状がなければ○
強く出れば×
軽い周辺症状なら△です。
このメモの効果は絶大です。
カレンダーを見るだけで治療効果が一目瞭然です。
さらに薬を増やすのか
維持するのか
もしくは減量するのかの
判断基準が明確になります。
それ以上にご家族自身がメモをつけることで
ご家族の頭が整理されます。
患者さんの症状を理解することできます。
当院ではこのようなご家族のメモのおかげで
周辺症状の8割程度はコントロール可能となっています。
それは、在宅生活の継続を意味します。
適切に利用すれば、メモの効果は絶大なのです。