先日、田中貴金属で「金」を売却しました。その後、納税のために必要な書類を送ってもらうよう依頼しました。しかし、どれだけ待っても届かないのです。そのため田中貴金属に問合せすると、「すでに郵送して受取の確認も取れている」とのこと。それも、何月何日何時に受け取ったのかまで分かっていると言います。そのため当方の確認ミスと思い、自宅を大探し。しかし書類は見つかりません。
田中貴金属に再発行をお願いするも、そのままでは無理と断られました。再度、必要書類を送らねばならず、それらを準備してあらためて取り寄せました。その間、約3週間。そうすると突然、郵便ポストに3週間前の消印の田中貴金属からの書類が届けられていたのです。
あまりのことに郵便局に電話。すぐに謝罪にいらっしゃいましたが、実はその原因の根源が、田中貴金属が指定している特定記録郵便にあったのです。今回の記事では、特定記録郵便の問題点をご紹介するとともに、重要な書類は書留郵便で送る必要性についてご紹介します。
目次
1.特定記録郵便とは?
特定記録郵便とは、配達を郵便局に依頼した時間、さらに配達状況、届いた時間を記録してくれる郵便です。ですから、今回の件も、「郵送した事実」、「配達された事実」はネットですぐ確認できます。そのため問い合わせをしても、田中貴金属さんは、「郵送したし、配達されました」と主張されます。
しかし、特定記録郵便は、あくまで相手に配達した事実でしかありません。受取の際に、「受領印の捺印又は署名」は必要とされていません。単にポストに配達した事実でしかないのです。
2.特定記録郵便の問題点は?
特定記録郵便には以下の問題点があります。
2-1.誰が受け取ったか分からない
特定記録郵便は、単にポストに投函した事実しか分かりません。ですから、郵便局員が間違えて、他人の家のポストに入れても配達した事実として登録されてしまいます。実際、私のケースも、郵便配達員が我が家とは別の家のポストに投函したようです。
2-2.集合住宅は特に注意
郵便局に、「特定記録郵便が届かない」と問い合わせをしたところ、「集合住宅ですか?」と聞き返されました。謝罪に来た郵便局員にきくと、特定記録郵便の誤配は、特に集合住宅で多いようです。ただし、我が家は一戸建てでもミスが起きましたが…。
2-3.個人情報保護にも重大な問題
誤配された私の書類は、受け取った人が郵便局に連絡をしてくれたことで、私の元に無事到着しました。しかし、封筒がセロテープで封をされていることに違和感を覚えました。田中貴金属に確認すると、「セロテープで封をすることは絶対ない」とのこと。そうです、私の書類は誰が間違って受け取って、開封されその中身を見られてしまったのです。
3.大事な書類は書留郵便!
実は、謝罪に来られた郵便局の方も、「当方からは言える立場ではありませんが、重要な書類は書留郵便を使っていただけるとありがたい」と言われていました。
3-1.書留郵便とは?
書留郵便は、貴重品(クレジットカード、現金、チケットなど)を送付する際に利用されます。追跡番号がついていて、引き受けから配達までが記録されていて、郵便追跡サービスで追跡が可能です。受取においては、印鑑もしくはフルネームの署名が必要で、必ず手渡しの配達になります。
3-2.書留郵便の種類は?
- 一般書留:現金でない重要な郵便物(願書など)を送る場合に使われます。郵便物の引受から配達までの送達過程を、中継局も含めて、書面および端末データで記録。損害賠償額の最高額は500万円まで設定でき、賠償額が大きいほど特殊取扱料金が高くなる。
- 現金書留:現金(日本の有効な紙幣・硬貨であって、外国の紙幣・硬貨は含まれない)を郵送する場合は、現金書留としなければならない。
- 簡易書留:一般書留・現金書留と異なり、中継局での記録は行わない。追跡サービスで表示される情報がその分だけ少なく、引受局と配達局のみ記録される。賠償額は5万円のみで、損害賠償額は上限を5万円とした実損額。一般書留よりも要償額が少ない代わりに、料金が安い。
3-3.顧客が負担する郵便費用は?
今回の田中貴金属さんからの書類は、せめて簡易書留にしてくれれば防げたものです。そして、2つの料金は以下です。
- 特定記録:基本料金+160円
- 簡易書留:基本料金++320円
たった160円の違いです。そして、これらの返信用の切手代は、書類を依頼した田中貴金属の顧客が負担するのです。
4.田中貴金属の対応は?
今回の私のケースは、当然ですが田中貴金属さんにもお伝えしました。ただし、「今回のケースは貴重なご意見として承りました。ただし、少し時間をください」とのことでした。担当者の杓子定規な対応からすると、きっと特定記録郵便が簡易書留郵便に変えてくれることはない印象でした。
5.現状での対策は?
ならばどうすれば良いでしょうか? 私は、再度申請をし直すときに、「費用はこちらが払うのだから、特定記録郵便でなく簡易書留郵便にしたい」と伝えました。そうしたところ、長時間待たされた挙句、
「返信用の封筒の特定記録郵便の文字を線で消して、簡易書留と書いて、必要な切手を貼ってくだされば対応します」との確約を頂きました。
是非、田中貴金属へ重要な書類を依頼する場合は、簡易書留で返信してもらうようにしましょう。
6.まとめ
- 現状、田中貴金属さんから書類を送ってもらう場合は、特定記録郵便です。
- 特定記録郵便は、誤配の可能性があり、その場合の対処もできにくく、お勧めではありません。
- 田中貴金属さんから書類を送ってもらう場合は、返信用の封筒の特定記録郵便の文字を線で消して、簡易書留と書いて、必要な切手を貼って対応しましょう。