医師や歯科医が通い続ける「理学療法士ストレッチ」の理由

医師や歯科医が通い続ける「理学療法士ストレッチ」の理由

最近、私は理学療法士さんによるストレッチにすっかりはまっています。きっかけは単純でした。身体のメンテナンス目的で、軽い気持ちで受けてみたのです。ところが―その効果に驚きました。翌日の体の軽さ、筋肉の伸びの実感、そして慢性的な首・肩のこりの改善。それ以来、定期的に通うようになりました。気づけば、私だけでなく医師3人、歯科医2名も同じ施設に通い続けています。日本中にマッサージサロンや整体があふれる今、なぜ医師や歯科医が「理学療法士のストレッチ」にこだわるのか。その理由には、医療従事者だからこそ理解できる“特別な信頼”があります。

目次

1.医師が驚く、理学療法士の「身体構造への理解」

理学療法士(Physical Therapist)は、病院や介護施設でリハビリを担う国家資格者です。彼らの強みは、何といっても「人体構造と機能への深い理解」にあります。筋肉、関節、神経、運動連鎖――その知識の広さと深さは、正直に言って私たち医師よりもはるかに上です。医師は診断や投薬、外科的処置に精通していますが、筋肉や関節の微細な動き、姿勢や歩行のクセの読み取りに関しては、理学療法士のほうが圧倒的に実践的な知識を持っています。実際、医師が理学療法士に指示を出す立場であっても、いざ自分の身体を預けるとなると、彼らの専門性に完全に“白旗”を上げることが少なくありません。「そんなに深く知っていたのか」と感心することが何度もあります。だからこそ、医師ほど理学療法士の施術に素直に従順なのです。

2.理学療法士の施設は、ほとんど宣伝されていない

しかし、そんな理学療法士の施術を受けられる場所は、驚くほど少ないのが現状です。なぜなら、理学療法士は「医療従事者」であり、一般的なサロンのように自由に宣伝できないからです。理学療法士の資格は、医療機関内でのリハビリを前提としています。そのため「〇〇整体院」「リラクゼーションサロン」のように広告を出したり、SNSで派手に宣伝したりすることは法律上グレーゾーンになります。つまり、理学療法士の施術を受けるには、口コミや紹介など“人づて”にたどり着くしかないのです。だからこそ、一度そうした施設に出会うと、「これは本物だ」と感じる人が多い。医師や歯科医のような医療職がリピーターになるのも自然な流れです。

3.体験すると、もう“普通のマッサージ”には戻れない

理学療法士によるストレッチは、単に「気持ちいい」では終わりません。「なぜ硬くなったのか」「どの筋肉が原因なのか」「どうすれば再発を防げるか」――すべてに理由づけがあり、根拠があります。施術中の説明も明快です。
「この動きが制限されているから腰に負担がかかる」
「ここを伸ばすと神経の通りが良くなる」
といった具合に、体の“設計図”を見せられているような感覚になります。一般的なマッサージは一時的なリラックスや血流改善が目的ですが、理学療法士のストレッチは「治療の延長線上にある施術」です。私自身、定期的に通うことで姿勢や可動域が明らかに改善し、診療中の腰痛や肩の重さも軽くなりました。この「科学的な裏づけ」と「体感としての効果」の両立こそ、医師や歯科医が“信頼”し“通い続ける”最大の理由です。

4.医療者ほど、良い施術を「言葉にしない」

興味深いのは、こうした理学療法士のストレッチ施設は、口コミでもあまり見つからないということです。理由は単純で、通っている医療者たちは「静かに通う」からです。優れた施術を受けていると、逆に広めたくなくなるのです。予約が取りづらくなるから、という現実的な理由もありますが(笑)。その結果、世間には「整体やマッサージサロン」はあふれていても、理学療法士による本格的なストレッチ施設は、まるで隠れ家のような存在になっています。

5.体のメンテナンスを“投資”と考える

現代の医療者は、デスクワークや長時間手術、オンライン診療などで以前よりも圧倒的に体を酷使しています。そんな私たちにとって、理学療法士によるストレッチは“贅沢”ではなく“投資”です。体が資本である限り、最も合理的な支出といえるでしょう。この数年で、医療業界の中でも「セルフケア」や「パフォーマンス維持」への意識が急速に高まっています。その中で、理学療法士の施術が“医療の外側にある最も医療的なケア”として再評価されているのです。

6. 「本物のストレッチ」と出会える幸運

もしあなたが偶然にも、理学療法士が行うストレッチ施設に出会えたら、それはとても幸運なことです。
知識と経験に裏打ちされた施術を受けることで、自分の体がどれほど繊細で、どれほど正直に反応するかを実感できるはずです。マッサージサロンが悪いわけではありません。ただ、医師や歯科医のように「身体の理屈」を知っている人ほど、理学療法士の手技に“違い”を感じ、そして“通い続ける”のです。


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7.終わりに

理学療法士という専門職は、もっと一般社会でも知られるべき存在です。彼らの仕事は、病院のリハビリ室にとどまりません。「痛みの原因を見抜き、身体を再教育するプロフェッショナル」。それが本来の姿です。

私自身、理学療法士さんの施術を受けるたびに、「医学はチームで成り立つものだ」と改めて感じます。医師が身体を診断し、理学療法士が身体を再生する。この関係こそ、これからの時代の“健康の理想形”なのかもしれません。

ちなみに長谷川が見つけた理学療法士さんによるリラクゼーションは以下です。

 

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