MOOK本「20万人を診察した専門医が教える『ならない・治す認知症』」

MOOK本「20万人を診察した専門医が教える『ならない・治す認知症』」

2019年6月18日に、私の初の監修本「20万人を診察した専門医が教える ならない・治す認知症」(扶桑社)が出版されます。人生100年時代。長生きができるのは素晴らしいことです。ただし、長生きという言葉の前に「元気で」という言葉がつくことが重要です。

このブログで常々お伝えしていることが一冊の本となりました。今回の本は、雑誌と書籍をあわせた性格を持つムック本として出版されます。気楽に手に取っていただければ嬉しいです。今回の記事では、このムック本の内容をご紹介させていただきます。

*ムック(mook)本:雑誌と書籍をあわせた性格を持つ刊行物のこと。magazineのm-とbookの-ookの混成語。

20万人以上を診察した専門医が教える ならない・治す認知症 (扶桑社ムック)

目次

1.認知症になるかもしれない!12のチェックポイントとは

Confused Senior Man With Dementia Looking At Wall Calendar
刺激が少ない生活を送っていると認知症を発症しやすいのです

ムック本の中では、12のチェックポイントを紹介しています。4項目以上該当するかたは気を付けてください。

  • 1年以上、歯医者に行っていない
  • 家族(両親・祖父母・おじ・おば)に認知症になった人がいる
  • 生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症)がある
  • 運動不足である(30分程度の運動を週3回していない)
  • 太りすぎ(BMI※が30以上)、またはやせすぎ(BMIが18.5以下)
  • 夫、妻(パートナー)がいない
  • 仕事に定年がある
  • 栄養バランスがとれた食事をしていない
  • 12歳程度年上や12歳程度年下の友人がいない
  • 自分の預貯金と、入っている保険の内容を把握していない
  • 1か月に2冊以上の読書、1本以上の映画鑑賞(DVDなど)をしていない
  • 一人でできる趣味を2つ以上もっていない

*BMI(=ボディマス指数):体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数。BMI= 体重 kg ÷ (身長 m ×身長 m )

例)体重70kg、身長160cmの人。70kg÷(1.6m×1.6m)≒ 27.34 BMI=27.34

2.歯磨きは、脳もピカピカに磨く

Doctor dentist showing patient's teeth on X-ray
三ヶ月に一度は歯科医の検診を受けましょう

アルツハイマー型認知症は、脳の海馬にアミロイドβ というタンパク質がたまることで、少しずつ脳細胞が壊死して記憶力が低下すると考えられています。このアミロイドβを増やすものこそが「歯周病菌」なのです。


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歯周病は口の中が歯周病菌に感染することで起こる炎症性疾患。35歳前後から増え、40代になるとその発症率は8割ともいわれます。だから「歯周病の予防=認知症の予防」という図式が成立するのです。

3.腸を健康に保つことで一生使える脳になれる

腸は体の中で、とても重要な役割を担っています。「認知症とも大きく関わっている」ことがわかってきました。腸は独自の神経ネットワークを備え、「腸脳相関」と呼ばれる脳との密接なつながりをもちます。ストレスを感じると、お腹の具合が悪くなるのはそのためです。

認知症を予防するには、腸内の細菌叢を整えることが重要です。そのためには、「善玉菌を増やして腸内細菌のバランスを整えること」が大切です。善玉菌を増やすには、善玉菌の好物である野菜や海藻類に豊富な「食物繊維」や、豆類やバナナ、たまねぎなどに含まれる「オリゴ糖」、日本古来の調味料やヨーグルト、納豆、漬物、チーズなどの「発酵食品」を積極的に日々の食事に取り入れる必要があります。その上で、悪玉菌が好む肉食に偏らない食事をすることも大事になるのです。

4.運動は脳の血流を増やす 最高のカンフル剤

一生使える脳を維持するためには、「有酸素運動」「筋力トレーニング」「柔軟体操(ストレッチ)」「バランス運動」も重要になります。これらの運動は、脳への影響以外に、心臓や呼吸器、代謝系、血管系にも効果を発揮し、健康長寿をまっとうできる体づくりにつながるのです。

さらに運動を行う際に、「頭を使う行為と運動を併せて行うこデュアルタスク」は特にお勧めです。デュアルタスクを行うと、脳が混乱を起こします。その混乱を整理しようとする思考が、脳(前頭葉)への適度な刺激になり、脳血流がアップし、認知症予防につながるのです。

5.親ゆびを刺激すると脳がたちまち若返る

認知症の予防には、手をよく動かするとよいのです。実際、職人さんやピアニストなど、「手先をよく使う人はボケにくい」といわれています。身体の面積では、10分の1程度の手ですが、脳の中で3分の1もの広範な領域を占めています。つまり、指と手を使って動作をすることは、脳の広い範囲に刺激を与えることになるのです。

その中でも親ゆびは、人間が行うさまざまな動作に必要な指です。親指がしっかり動かないと、「持つ」「結ぶ」「切る」「書く」「回す」などの動作ができないのです。親指を動かして、脳に血液をしっかり送りましょう。

ペンフィールドのホムンクルス
感覚野の大部分を占める親指

6.まとめ

  • 令和元年6月18日に「20万人を診察した専門医が教えるならない・治す認知症」が発売されます。
  • 雑誌と書籍をあわせた性格を持つムック本ですので、気楽に読んでみてください。
  • 気楽に読めますが、内容はしっかり詰まっているのお勧めです。
20万人以上を診察した専門医が教える ならない・治す認知症 (扶桑社ムック)
長谷川嘉哉監修シリーズ