記憶のフックを刺激しよう!

先日、外来の患者さんで面白いことがありました。
患者さんは、側頭葉機能は比較的保たれています。
しかし、前頭葉機能低下によりワーキングメモリーの機能が低下しています。
患者さんは、定期的に俳句の会に行っています。
娘さんが、帰宅してから、
『今日は、どこに行ってきたの?』と質問すると。
『どこにも行っていないよ‥』と答えるのです。
娘さんは、帰宅してすぐに
行き先を忘れてしてしまっていることに悲観されていました。

そんな時に、自分が
『○○さん、どこどこへ俳句の会で行かれたそうですね?』と質問すると、
『はい、行きました。3色の蓮の花が咲いていて、
こんな句を詠みました』など、
すらすらと記憶がよみがえるのです。
つまり、患者さんは
記憶のフックとしての前頭葉機能は低下していても、
記憶の倉庫としての側頭葉機能は維持されているのです。
そのため、周囲が、”記憶のフック”を刺激してあげると、
驚くほどの記憶が再生されるのです。

診察を見ていた家族は、
『対応の仕方でこんなに違うのですね?』と驚かれていました。
どうしても家族は、
『今日どこ行ったの?』などの質問調になってしまいます。
そんな時には、記憶のフックを刺激するような
誘導する質問が効果的なのです。
対応の仕方だけでこれだけ反応が変わってしまう・・
人間の脳は不思議です。


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