認知症の専門外来における認知症の原因として、比較的多いのが“薬の副作用”です。
例えば、消化器系の悪心等に処方されるナウゼリンやプリンペラン。その他、抗不安薬、安定剤や抗うつ剤などが原因としては多いようです。
薬の副作用の患者さんは、一見すると元気がなく反応も悪く、認知症やうつが疑われます。
しかし、原因の薬物を中止すると、劇的に改善します。
特に抗うつ剤は、うつの治療として適切であれば改善を示しますが、不適切に漠然と処方が続けられていると、逆に副作用をおこすので注意が必要です。
効果がないと判断すれば直ぐに中止する必要があります。
もう一つ注意が必要なのは、甲状腺機能低下症です。
当院では、認知症専門外来の初診では全員甲状腺機能を検査します。
100人に2-3人は甲状腺機能低下症であり、甲状腺ホルモンの投与で劇的に改善しています。
甲状腺機能は、疑わなければまず採血をしません。
ルーチンの検査として測定する必要があると思います。