正常の証明は難しい!

先回紹介した75歳以上の免許更新時の認知機能検査で
“記憶力・判断力が低下している”と判断されると以下のような書類をもらいます。
“診断書提出命令書”
あなたは、認知機能検査の結果、「記憶力・判断力が低くなっている」との判定結果をうけ
認知症の恐れ(疑い)があることから、道路交通法の規定により、指定する期日までに
道路交通法施行規則に定める要件を満たす医師の診断書を命じます。
この命令に違反して、診断書を提出しない場合は、運転免許の取り消し又は効力の停止等
の処分を受けることになります。
診断書の提出期限:平成〇〇年〇月〇日
備考:道路交通法施行規則に規定する医師の診断書の要件とは、「認知症に関し専門的な知識を有する医師又は主治医が作成し、命令を受けたものが認知症に該当しないか認められるかどうかに関する当該医師の意見が記載されているもの」
実は、この書類をもらった人たちが途方に暮れています。
なぜなら、この診断書の記載を各医療機関が拒んでいるからです。
確かに、認知症の専門医でない主治医は、
認知症の診断をすることは不可能です。
万が一、いい加減な診断の元
“認知症でなく、運転が可能”と誤診してしまってから
患者さんが、事故を起こせば
責任を逃れるわけにはいきません。
専門外である主治医はこの書類の記載を
断ったほうが賢明です。
一方で、認知症の専門医がいる基幹病院も
この書類記載を断っているようです。
そのため巡り巡って、当院への依頼の依頼が後を絶ちません。
もちろん、認知症専門医として
お断りすることなく、適切な診断をしたうえで
運転の可否を判断させていただきます。
医師は、
“病気であるという診断書”より、
“正常であるという診断書”を書くほうが
はるかに難しいのです。

診断書提出命令書(水).jpg


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