またこんな事件が起きてしまいました。
“津島の民家で72歳女性死亡 夫?焼身自殺はかり搬送
平成29年1月27日午前5時55分ごろ、愛知県津島市高台寺町北浦の水田で人が燃えているのを、通報で駆け付けた救急隊員が見つけた。燃えていたのは男性で、病院で治療を受けている。津島署員がこの男性宅とみられる近くの住に行ったところ、室内で女性が死亡しているのを見つけた。署によると、死亡していたのは、この家に住む同町北浦の無職、後藤保子さん(72)。1階の居間で頭から血を流し、あおむけで倒れていた。後藤さんは夫と2人暮らしで、夫とは連絡が取れなくなっている。署は、燃えていた男性は後藤さんの70代の夫で、後藤さんを殺害後に焼身自殺をしようとしたとみて調べている。”
“津島市南地域包括支援センターによると、保子さんは認知症で、夫が自宅で介護していた。夫はこれまでセンターに相談していて、去年10月には暴言を浴びせられるなど悩みを訴えていた。1月4日には、「介護は限界」と告白。付き添った長男がデイサービスの利用を持ちかけたものの、夫は「デイサービスの時間帯に(夫が)何かをたくらむためではないか、と妻が思い込むかもしれない」と話し、利用を拒んだという。 近所の女性は後藤さんの夫から「妻が認知症で、毎日2時間も寝れない」「介護疲れで自分の方が先に死にそう」と聞いた。”
たしかに、大変なケースであったかもしれませんが、認知症専門医としては何とかなるケースです。妻である認知症患者さんは、認知症の中核症状が進行して、周辺症状としての易怒性、被害妄想が出現しているだけです。薬で殆どのケースはコントロール可能です。また、仮に薬でコントロールできなければ、”ドクターストップ”をかけて、介護施設への入所、もしくは精神科への入院が必要です。
包括支援センターはこの程度の知識もなかったのでしょうか?そもそも主治医は何をしてたのでしょうか?自分が専門でなければ、しかるべき医療機関に紹介すべきです。今回の事件は、間違いなく、避けることができたケースです。包括センターおよび主治医の怠慢・不勉強です。私が主治医なら、絶対にこんな事件は起こさせません!