読後感「妻(夫)のトリセツ」女性への共感力のない男性を責めないで

読後感「妻(夫)のトリセツ」女性への共感力のない男性を責めないで

最近、「共感力」が話題になっています。特に、ベストセラーになった、「妻のトリセツ」「夫のトリセツ」では、男性の共感力の乏しさが夫婦関係悪化の原因の一つと指摘されています。それを解消するためには、男性には共感力の改善が求められています。しかし、男性(特に理系)の多くは、根本的に共感力が欠如しています。その上、共感力のない男性が、変わることは困難です。

賢明な女性であれば、共感力が乏しくても、社会で生きていく能力の高い男性を調教するほうが得といえます。私自身、共感力は相当欠如していると自覚しています。今回の記事ではそんな男性の言い訳と女性に対するお願いを述べさせていただきます。

1.共感力とは?

「共感力」という言葉の意味を調べました。共感力とは、単に「相手の気持ちがわかります」だけではありません。言葉だけでなく、相手の気持ちを汲んで寄り添うことができる力を共感力というようです。私には、ちょっと難しそうです…。

portrait of young asian group in office
女性の意を汲んでじっくり話を聞く男性が求められています

2.男性の基本的性質とは?

女性との共感力を高めるためには、以下の点に注意をする必要がありますが、基本的には男性の多くは苦手です。

2-1.会話の際は、知識をひけらかしがち

どうしても男性は、女性と会話すると知識を引けらかしたくなり、余分に話しがちになります。この傾向は、クリニックでの診察でも同様で、どうしても医師がしゃべりすぎてしまいます。

2-2.女性の話を頭ごなしに否定してしまう

これも男性は苦手です。変なところにこだわってしまいがちです。本当は「君の言うとおりだね」と言っておけばよいのに、否定してしまうのです。

2-3.女性の話を聞かずに解決しようとする

男性は、子供のころから、問題を解決することを義務付けられてきました。そのため、女性の話を聞いていても、すぐにアドバイスして、問題を解決したくなります。私も、女性介護者があまりに介護の大変さを訴えるため、施設の入所を薦めたところ、結局自宅で頑張るとのこと。この女性介護者は話を聞いてもらいたかっただけのようでした。

このように女性からすると不満な点が多いのが男性との会話です。

skeptical interviewer looking at interviewee
なるべく効率よく最適解を求めようとするのが男性の性質です

3.共感力のない男性の特徴にはメリットも

そんな肩身の狭い「共感力のない男性」。実は良いところもあるのです。

3-1.論理的思考に優れている

共感力のない男性は、論理的思考を重視する傾向があります。確かに理屈で言えば「話を聞くだけよりも、問題解決のために行動をするほう」が重要です。そのため、理系男子の70%は共感力に問題があるとさえ言われています。

3-2.別の基準で責任感が強い

論理的に考えるため、表面的でない本質を見極めたうえでの責任感があります。私の知り合いに、「結婚式で両親への花束贈呈は意味がない」といった人がいました。周囲からは批判を浴びたのですが、本人は一時の結婚式のセレモニーよりも、人生における責任を全うすることが重要と考えたのでした。

3-3.社会的地位は高い傾向

論理的思考力があり、責任感があるため努力家です。その結果、学歴も社会的地位も高い傾向にあります。医師仲間も典型的な理系ですから、共感力には欠けていますが、その内面では患者さんに対する努力は惜しまない人が多いものです。

4.共感力がある男性にはデメリットもある、とは

以下の共感力のある男性についてのコメントは、気に障る方は読み飛ばしてください。

4-1.感情に流されがち

共感力があるとされている男性は、言葉で表面上の共感を表すことは得意です。しかし、論理的思考にかけ、思慮が浅い傾向があります。救急医療でも感じることがありました。父親が急病で病院に運ばれてきたときに、ベッドの横で涙を流しながら、「親父、頑張ってくれ!」などと、興奮している人は共感力はあるのかもしれません。しかし父親が寝たきりで助かると、病院にも来なくなります。一方で、一見共感力がない息子さんは、冷静に「父親の予後について」質問されることが多く、責任をもって病院にも見舞いにいらっしゃると感じます。

4-2.社会的地位は低い傾向

表面的は共感力があっても、論理的思考ができず、責任感がなければ学歴や仕事の面でも不利です。その上、何かあれば感情に流される。これでは、社会的地位は低くなりがちです。

4-3.だれでも歳をとってくると、少しは共感できるようになる

共感力に欠ける理系男子も、さすがに年を取って人生の荒波に揉まれると少し成長します。考えてみれば、人生の責任も負いながら、結婚式のセレモニーなどもこなせば良いのです。自分も50歳を超えて、少しは外来で患者さんの言葉に、アドバイスをすることなく傾聴できるようになりつつあります。

5.賢い女性の対応方法

賢い女性なら、こんな共感力の欠如した男性を、うまく活用すれば良いのです。

5-1.共感力を期待しない

世の中では、ベストセラー「妻のトリセツ」などでは男性も共感力を上げることを求められています。しかし、社会的地位もあって、お金を稼ぐような、理系男子の多くには、共感力を求めること自体が無理です。期待して腹を立てるよりも、期待せずに女性同士で共感しながらの会話をするほうが建設的です。

5-2.誕生日プレゼントも自分で

共感力の欠如した男性に、素敵な誕生日のサプライズを期待することもやめましょう。記念日を忘れられて腹が立つだけです。自分で誕生日プレゼントも購入して、相手に払ってもらえばよいのです。

6.但し、常軌を超えた男性には注意

但し、あまりに常軌を超えた男性は避ける必要があります。

6-1.カサンドラ症候群に注意

病的に共感力が欠けた男性の場合は、女性はカサンドラ症候群に注意が必要です。カサンドラ症候群とは、「家族やパートナーなど生活の身近にいる人が自閉症スペクトラム障害であることが原因で、情緒的な相互関係を築くことが難しく、心的ストレスから不安障害や抑うつ状態、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの心身症状が起きている状態」です。

カサンドラ症候群は「カサンドラ情動剥奪障害」ともいわれます。まさに、女性の情動がはく奪されてしまうのです。その結果、女性自身の心身に異常精神的もしくは身体的な不調、症状(自己評価の低下、抑うつ状態、罪悪感、不安障害、不眠症、PTSD、体重の増減など)が出現するほどの場合は、男性と離れる必要も出てきます。

6-2.女性認知症患者さんによくあるご主人のタイプ

認知症の専門外来をしていると、アルツハイマー型認知症の男女比では、女性が多いことを感じます。そして女性患者さんのご主人に、共感力が異常に欠如している人が多いことに気が付きます。旦那さんの独善性が強いタイプで、亭主関白のもとで長年生活していると、感情を押し殺すことに慣れっこになってしまっているのです。その結果、認知機能に衰えが出やすくなると考えられます。

詳しくは、以下の記事も参考になさってください。

7.まとめ

  • 社会的地位もあって、お金を稼ぐような、理系男子の多くには、共感力を求めること自体が無理です。
  • 共感力を求めるよりも、共感力の欠如した男性を、うまく活用しましょう
  • 但し、病的に共感力が欠けた男性との付き合いは避けましょう。
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