初めての当直の思い出・・・顎が外れた!?

初めての当直の思い出・・・顎が外れた!?

医師としての最初の当直は相当に緊張します。最初の数回は、先輩ドクターと一緒ですが、一人で行う当直は、今でも記憶に残るほどです。「心筋梗塞の患者さんが来たら?」、「脳出血の患者さんが来たら?」、「腹痛の患者さんが来たら?」など、いくつもの疾患のシュミレーションを行います。そんな時に、当直室に電話。受話器を取ると、看護婦さんが「患者さんの顎が外れました!」です。

さすがに、「顎がはずれた」はシュミレーションで想定していませんでした。ちなみに、顎が外れたまま、放置はできません。患者さんは大きく口を開いたままとなり,自分で閉口することができないのです。その上、患者さんは口を閉じようとすると疼痛が生じるのです。

何とか治してあげる必要があります。そんな時に、頼りになるのが「当直マニュアル」です。祈る思いで、当直医マニュアルを開くと、さすがです。「顎が外れた場合」の処置方法もきちんと書いてあるのです。

ここで、顎が外れた場合の修復方法をご紹介します。

  • 患者さんに椅子に座ってもらって、頭を固定します。
  • 次に術者が患者さんの前方に両足を開いて立ちます。
  • 術者は両手親指ガーゼなどを厚く巻き、その親指をはずれた顎の奥歯の噛む面に当てます
  • 次に、顎の下縁を他の4指で保持し、顎をつかむようにします。
  • その後、下方へ強く引き下げ、下げたまま後方へ移動させゆっくり関節へ納めるようにします。
  • このとき、患者さんは強く噛むので術者は気を付けて下さい。

コツとしては、いきなり顎をはめようとせずに、一度しっかりと下方へ引き下げることです。私の最初の当直の際も、この通りに行うと、見事に顎は元に戻りました。看護婦さんの、「先生、お上手ですね」の言葉が、嬉しいような、恥ずかし思いでした。

日常生活でも、大きなサンドイッチをかぶりついたり、大きなあくびをしたり、歯の治療の際に顎が外れることはあるものです。今回の修復方法を参考にしていただければ幸いです。


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