目の前に糸くずなどが見える飛蚊症になったら必ず眼科受診を

目の前に糸くずなどが見える飛蚊症になったら必ず眼科受診を

飛蚊症という症状をご存じでしょうか? 目の前に糸くずやちいさな虫やゴミのような「浮遊物」が見えるような症状を言います。私は、子供のころからこの症状があったのですが、最近これらの数が増えてきたため眼科を受診してきました。場合によっては入院治療も覚悟していたのですが、異常はありませんでした。実は我々医師は、「飛蚊症が突然現れたり、数が増えてきた場合はす眼科を受診するよ必要性があること」を教育されています。今回の記事ではその理由についてご紹介します。

1.飛蚊症とは?

飛蚊症とは、目の前に糸くずのような透明のようなものが見えたり、虫やごみのような黒い影が見えることを言います。影の形や大きさは、いろいろで視線を動かすと一緒に動いたりします。屋外などの明るい場所に出ると、より気になります。また室内でも明るい部屋が、白い紙を見るとより気になります。私は、学生時代、教室で真っ白いテスト用紙を前にすると気になったものです。

2.飛蚊症の原因は?

飛蚊症には、病的でないものと重大な病気が隠れている可能性のものがあります

2-1.生理的飛蚊症

正常な状態、特に加齢変化に伴って出現するものですが、私のように小学生のころから出現することもあります。完全に消失することはありませんが、慣れると気にならなくなり、様子観察しても問題ありません。自分も今回眼科を受診して、異常がないことがわかると気にならなくなりました。

2-2.病的飛蚊症

目の疾患が原因となって飛蚊症が起こることもあります。疾患としては、網膜裂孔、網膜剥離、硝子体出血、ブドウ膜炎などです。時に失明に至る病気の前兆であることもあります。

3.飛蚊症で以下の症状があれば絶対眼科受診を

飛蚊症とともに、以下のような症状が見られれば、必ず眼科受診をしてください。


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  • 飛蚊症の数が突然増えてきた
  • 飛蚊症の黒い点が急に大きく、広がってきた
  • 視野に、何かが光ったような閃光が見られる
  • 視野が欠けてきた・・この場合は両眼だけでなく、片目ずつでも確認してください
  • 視力が急激に低下してきた
  • 60歳を超えている・・強度近視の方は50歳を超えていれば受診してください

4.飛蚊症で受診をする際は、車で受診しない

飛蚊症を主訴として受診した場合は、必ず眼底検査を行い硝子体の濁りの原因が網膜の病変でないことを確認します。その際には、必ず瞳孔を開く「散瞳」を行います。散瞳するためには、点眼薬をさして15~30分で瞳孔が大きくなります。そのため、まぶしく感じて、ピントも合わせずらいため見にくくなります。通常、3~4時間で回復します。そのため、受診の際は、車での受診は避けてください。

Elderly man examined by an ophthalmologist
眼科での瞳孔検査の例

5.50歳を超えたら眼科の定期受診を

飛蚊症になっての眼科受診も大事ですが、目の病気には、白内障や緑内障があります。そのため、飛蚊症関係なく、50歳を超えたら年に一度は眼科を受診して、視力検査、眼圧、視野検査などすることをお薦めします。私も今回ついでに緑内障の検査もしていただき幸い異常は認められませんでした。

6.まとめ

  • 目の前に糸くずや虫が飛んでいるように見える状態を飛蚊症と言います。
  • 飛蚊症の症状が急激に増えたりした場合は、必ず眼科受診が必要です。
  • 50歳を超えたら、飛蚊症以外でも年に一度の眼科受診がお薦めです。
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