世の中には、現在の新型コロナウイルス禍はワクチンの開発ですべて解決すると考えている人がいます。しかし、これは間違いです。インフルエンザウイルスに対しては、ワクチンも開発され多くの方が接種しています。しかし、毎年多くの患者さんが発症し、年に1万人程度の方が亡くなっています。つまり、ワクチンですべてが解決するわけでは無いのです。
我々、脳神経内科専門医は、ワクチンの副作用による患者さんを診察します。その経験から、100%安全なワクチンはないことを痛感しています。しかし、新型コロナウイルスワクチンは、世界中の製薬メーカーが異例の短期間で開発を急いでいます。専門医としては、相当に不安です。今回の記事では、脳神経内科専門医の長谷川嘉哉が、新型コロナワクチンを接種したくない理由をご紹介します。
目次
1.現在開発中の新型ワクチンとは
世界保健機構(WHO)によると、新型コロナワクチンの候補は160種類以上あって、臨床試験を始めたものは30種類程度です。しかし、今回のワクチン開発には、以下のように従来とは異なった特徴があります。
1-1.開発が短期間
通常、ワクチンの実用化までの期間は5~10年とされています。今回の新型コロナのワクチンは1年前後の実用化を目指しています。世界に先駆けてロシアでは、2020年8月に最終の臨床試験(治験)を経ずに承認しました。短期間の開発は、安全性に疑問が持たれるのです。
1-2.今までにない開発方法
開発されているワクチンの中には、遺伝子の組み換え技術を使ったものもあります。このようなタイプのワクチンは、全く実績がありません。そのため、「どの程度の効果があるのか?」「効果がどの程度継続するのか?」「安全性は?」が不明です。本当は新しい技術だからこそ、従来以上に品質、安全性の評価が必要なのです。
1-3.有効性は?
WHOや米食品医薬品局(FDA)は、今回の新型コロナ禍をパンデミック(世界的大流行)と判断し、通常とは異なるワクチン開発を認めているようです。通常はワクチンの有効性を判断する指標のうち、8割以上を満たすことが条件ですが、今回は「50%以上」と緩和したようです。そもそもコロナウイルスは、「大部分が自然免疫で対応できてしまうため、ワクチンの効果は不明」との意見もあります。つまり、効果自体にも疑問があるのです。
*自然免疫:体内に侵入した異物を直ちに察知して排除する「非特異的な反応」
2.不安要素・1【副反応】
多くの方々が知っておくことは、「副反応(副作用)のないワクチンはない」ということです。ちなみに、ワクチン接種による副作用と接種行為が誘因となった有害事象は副反応と言います。
*有害事象.:薬物との因果関係がはっきりしないものを含め、
2-1.命にかかわらない副反応の可能性
副反応の中には、接種した場所の、発赤、腫脹、痛みが起こることがあります。これらは、通常2〜3日でなくなります。また全身の反応としては、発熱、頭痛、倦怠感なども見られます。これらもやはり2〜3日で改善します。いずれも、命にはかかわりませんので、ワクチンによって新型コロナウイルスへの免疫が獲得できれば、やむを得ないかもしれません。
2-2.重大な副作用も
ワクチンには稀ですが、ショック、アナフィラキシー症状(呼吸困難、蕁麻疹など)が出現することがあります。この場合、適切な対応がされないと命にかかわることもあるのです。
また、脳神経内科専門医が診察する疾患として、急性散在性脳脊髄炎(acute disseminated encephalomyelitis; ADEM)があります。この疾患は、ワクチン接種後に起こるアレルギー性の脱髄疾患で重い後遺症を残すこともあります。
2-3.有効性は副反応を上回るのか?
ご紹介したような副反応があるのに、なぜワクチンを接種するのでしょうか? それは、従来のワクチン接種は、長い時間をかけて、「ワクチンの有効性が、副作用の発生よりも上回る」と判断されたから接種するのです。極めて短期間で、今までとは違った方法で作られ、有効性も十分検討されていない新型コロナワクチンが、有効性が副反応を上回ると言い切れるのか疑問がわきます。
3.製薬メーカは責任を取らない
そもそも、ワクチンとは健康な状態な人に接種します。そのため、ワクチンによる後遺症や生命的危険といった副反応は、社会問題にまで発展します。今回、日本政府は、米ファイザーと英アストラゼネカから供給を受けることで基本同意しています。しかし、接種によって健康被害が出た場合は、製薬メーカの責任は問わないという契約だそうです。
ワクチンは、世界的に取り合い状態になっているための、海外メーカーが日本に供給しやすくするためのようです。もちろん、健康被害に対しては、政府が賠償していくれるようですが、「国が簡単に非を認めてくれるのか?」「裁判が長期に及ぶのでは?」「結局泣き寝入り?」など過去の薬害問題をみても不安です。
4.本心は接種したくない
政府の分科会では、新型コロナワクチン接種は、医療従事者、高齢者、基礎疾患がある人を優先対象にするとのことです。個人的には、紹介したように不確定要素が多すぎるワクチン接種はできるだけ避けたいと思っています。
5.おすすめはインフルエンザワクチンの接種
インフルエンザと新型コロナウイルスは症状での鑑別は困難です。また、インフルエンザにかかっている時に、新型コロナウイルスにも罹患すると重症化する恐れがあります。
そのため、インフルエンザに対してはワクチン接種をすることお勧めします。インフルエンザは効果がないなどの噂がネット上でありますが、それは噂にすぎず、本当ではありません。インフルエンザワクチンには効果があり、接種を毎年受けた方がいいということは、厚生労働省やアメリカの疾病対策センター(CDC)で報告されています。WHOもインフルエンザの発症や重症化を防ぐにはワクチン摂取が最も効果的だと公表しています。
6.まとめ
- 開発中の新型コロナウイルスに対するワクチンは、極めて短期間で、今までとは違った方法で作られ、有効性も十分検討されていません。
- あらゆるワクチンには副反応があり、ときに後遺症や生命的危険を生じることもあります。
- 海外から、日本に供給されるワクチンによって健康被害が出た場合は、製薬メーカの責任は問わないという契約です。