安易な混合診療を認めず、健康保険制度を大事にしよう

介護保険における、保険外サービスと保険サービスの政策ミスについて先回ご紹介しました。それでは、医療はどうなるでしょうか?現在、健康保険においては、”保険で認められている保険診療”と”保険で認められていない保険外診療”とに区別しています。厚生省は、保険診療と保険外診療の併用を混合診療として禁止しており、かりに保険外診療を行った場合は、保険診療も含めて、自由診療として整理されます。

厚生労働省は、混合診療を無制限に導入した場合、保険診療により一定の自己負担額で必要な医療が提供されるにも関わらず、保険外の負担を求めることが一般化して自己負担が不当に拡大する恐れがあると考えています。さらに、安全性、有効性等が確認されていない医療が保険診療と併せて実施されてしまうと、科学的根拠のない医療を助長する恐れがあると考えています。

一部の、高度医療や先進医療については、条件付きで混合診療が認められた現在では、個人的には厚生省の考え方に賛成です。通常の我々の医療の現場では歯科医療の保険外診療のように、患者さんのメリットになるような薬や処置が思い浮かばないからです。

逆に、保険診療は科学的根拠に基づいて認可されていることを知ってほしいものです。コマーシャルで流されている、健康食品のように、一部の使用者の感想だけで認可されるものではないのです。しかし現実は、そういった健康食品の方が保険診療の薬より支払う額は高価なため、患者さんによっては勘違いしてしまう人がいることは残念です。医者からもらった薬は1割負担だから安いだけであって、実際は結構高価なものなのです。


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やはり医療においては、安易な混合診療の導入には制限をつけて、世界に誇る日本の健康保険制度を大事に守っていくべきだと思われます。

            

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