ぬか漬けで認知症予防! 効能と気になる塩分は?【専門医が解説】

ぬか漬けで認知症予防! 効能と気になる塩分は?【専門医が解説】

腸内細菌を整えることで、認知症やパーキンソン病をも予防できることがわかってきています。腸内細菌叢を健全な状態に保つためには、発酵食品の摂取が望まれます。幸い、納豆、みそ、しょうゆ、ぬか漬けなど日本には発酵食品がたくさんあります。その中でもぬか漬けは、腸内細菌叢の健全化以外にも多くの効果があります。

一方で、塩分の過剰摂取を気にされる方もいらっしゃいます。今回の記事では、月1,000名の認知症患者さんを診察する、専門医長谷川嘉哉がぬか漬けの効果効能をご紹介しながら、塩分を気にしないためのぬか漬けづくりについてご紹介します。

1.ぬか漬けとは?

ぬか漬けとは、米ぬかを使った漬物です。乳酸発酵させたぬか床に野菜を漬け込むことで作ります。ぬか床に入れるものには、キュウリ、ナス、大根などが多いようです。我が家では、ゆで卵、ミニトマト、ミョウガ、セロリも好評です。

ちなみに、ぬか床に何を入れるかは、それぞれの家庭によって個性が出ます。基本は、米ぬかに、塩、昆布、唐辛子を入れます。そこに、かつお節、山椒、ゆずの皮、ビールを入れたりもします。

Pickled vegetables in Japanese pickled vegetables
手軽にタッパウェアでも作ることができます

2.ぬか漬けの効果は?

ぬか漬けには、以下のような素晴らしい効果があります。

2-1.植物性乳酸菌の補給(プロバイオティクス

ぬか漬けには、植物性乳酸菌が豊富に含まれています。植物性乳酸菌は、まさに腸内細菌のもとである、プロバイオティクスと言えます。植物性乳酸菌は生きて腸まで届き、善玉菌として腸内環境を整えます。

*プロバイオティクス:腸内フローラのバランスを改善することで、宿主の健康に有益に働く微生物

2-2.乳酸菌の餌となる側面も(プレバイオティクス)

腸内細菌を整えるには、腸内細菌自体であるプロバイオティクスを摂取するだけでなく、細菌の餌になるプレバイオティクスも同時に摂取する必要があります。その点、ぬか漬けの場合は、キュウリ、ニンジン、ダイコンなどの野菜などの繊維豊富な食べ物そのものですので、細菌と細菌の餌を同時に摂取することができるのです。

*プレバイオティクス:大腸の特定の細菌を増殖させることにより、宿主に有益に働く食品成分。プロバイオティクスが菌そのものの作用によって腸内環境を改善することに対し、プレバイオティクスは有用な細菌の餌になることで腸内環境を改善します。

2-3.各種ビタミンが豊富な点もうれしい

ぬか漬けには、ビタミンも豊富です。

  • ビタミンB1&B2:ビタミンB1は、糖質の代謝を助けて、エネルギに変え、ビタミンB2は脂質の代謝に関わります。そのため、ダイエットにもつながるのです。
  • ビタミンA:免疫力を維持するために重要です。同時に皮膚の潤いを保ち、乾燥肌を防ぎます。
  • ビタミンE:抗酸化作用があり、血液中の悪玉コレステロールの酸化を防ぎます。ビタミンEが摂取できる食品は限られるため、その中でもぬか漬けは貴重と言えます。
Pickles at Nishiki market
ぬか床で乳酸菌が増やされ、食材に染み込んでいるのです

3.ぬか漬けの塩分を減らすには?

ご紹介したように、メリット満載の糠漬けですが、少し心配なのは塩分です。目安としては、大根3切れで塩分が0.9gといわれています。そのため、食べすぎには注意したいものです。

3-1.漬ける時間を減らす

ぬか漬けは、ぬか床につけている時間が長くなるほど塩分がしみこみます。そのため、漬ける時間を短くすることで塩分を減らすことができます。同じ理由で、ぬか床から取り出した食材を絞るだけでも、塩分を抜くことができます。

3-2.「ぬか」をしっかり落とす

ぬか床をつくる際には、塩を混ぜます。そのため、「ぬか」にも塩分が含まれていますので、しっかり洗い流すことで、「ぬか」に含まれている塩分をカットすることができます。

3-3.カリウムを含む野菜を選ぶ

カリウムを摂取すると、塩分を尿で体外に排せつする働きがあります。多くの野菜には、カリウムが含まれていますので、塩分を摂取するなら、野菜のぬか漬けのほうが身体に優しいのです。

Japanese pickles and rice
よく洗い流すことで塩分を減らすことができます

4.塩分が原因の高血圧はわずか?

そもそも塩分は身体に悪いのでしょうか? 実は、減塩で高血圧が下がるタイプは1%しかいないのです。つまり、99%近い高血圧の患者及び、圧倒的多数の健康な人にとって、減塩は意味のない取り組みというわけです。むしろ減塩が過ぎると、元気が出ない、食欲不振、無気力、精力減退等、様々な問題を引き起こすことにつながります。

5.粗製塩と自然塩の違いは?

高血圧に塩分摂取量が関係ないなら、食塩なら何でもどれだけでも食べてよいかというと、そうではありません。結論から言うと、「自然塩を適量に」ということになります。

日本では専売公社時代の1971年に「塩業近代化臨時措置法」の成立で、塩田での製塩からイオン交換膜製塩法「精製塩」(塩化ナトリウム99%以上)に全面的に切り替わりました。この「精製塩」は低コストで製造できますが、本来のミネラルが失われました。

自然塩に含まれるミネラルの成分には、塩化ナトリウム約78%以外に、マグネシウムが6~9%、カリウムが約2%含まれています。マグネシウムには便通を良くする効果が、カリウムにはナトリウムを体外に排出する効果があります。

6.自然塩でつくったぬか漬けがおすすめ

ぬか漬けのメリットを享受しながら、塩分による高血圧を予防するには、使用する塩を自然塩に変える必要があります。そのため、ぬか床を作る際には、市販品でなく、自ら自然塩を使って作りたいものです。自然塩の方がぬか漬けだけではなく、さまざまなお料理の味が美味しくなります。ぜひ自然塩を活用するようになさってください。

7.まとめ

  • ぬか漬けには、腸内細菌を整える働きがあります。
  • それだけでなく、多くのビタミンを含みます。
  • 唯一のデメリットである食塩の影響を減らすために、ぬか床は、自ら自然塩を使って作りたいものです。
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