医師長谷川が32年間風邪を引かない理由・風邪&冷え性予防にはコレ

医師長谷川が32年間風邪を引かない理由・風邪&冷え性予防にはコレ

私は、医師になって32年間インフルエンザになったことがありません。風邪で仕事を休んだこともありません。

毎日、多くの患者さんを診察しているのですが、不思議とかかることがないようです。「先生はなぜそんなに元気なのですか?」と聞かれることもあります。

そう言われて、ふと気が付いたことが冬場は使い捨てカイロをほぼ毎日使っていることでした。東洋医学には「冷えは万病の原因である」という考え方があります。ですから身体を冷やさないことには様々なメリットがあって、風邪予防にも思いのほか有効なのかもしれません。

今回は、冷えと風邪を予防し、睡眠にも効果的な長谷川流「カイロの使い方」をご紹介します。後半ではその他の予防策もお伝えします。冷えを撃退し、風邪を引きたくない方はぜひ参考になさってください。

1.カラダを温める効果とは

「冷え性」は、ただ「冷えを感じやすい感覚的な個人差」「よく冷える体質」ということではありません。血流が悪かったり、体温が低いために「冷え」が起こるのです。

「冷え」の状態になると、私たちの生命維持にとって大切な役割を果たしている酵素が働かなくなってしまいます。酵素は、私たちが体に摂り入れた食べ物を肝臓で分解して栄養素を作ったり、解毒するなどの働きをしています。この酵素が一番働いてくれる体温は36.5度。また、血液がよく流れる体温も36.5度なのです。

体温が低く、血流が悪くなると、酵素の働きがにぶくなるので栄養が全身に行き渡りにくく、体内に老廃物が溜まりやすくなります。そのため「自然治癒力」が弱るのです。つまり、身体を暖めることは、全身の酵素の働きを高めることで「自然治癒力」を向上させることにつながるのです。

手軽にカラダに暖をもたらす使い捨てカイロは、健康面でもいろいろな効果をもたらしていると考えられます。

Thermography Whole Body Back
末端は冷えやすいので、血流で温めるようにしましょう

2.医師における使い捨てカイロのメリットとは

使い捨てカイロは医師の行動をサポートしてくれています。診療において欠かせない存在なのです。それはなぜか解説します。

2-1.手足が温かくなる

診察の際に、医師の手が冷たいと患者さんには不快です。使い捨てカイロを貼っていると、不思議と手足が温かくなります。自分だけでなく、患者さんのためにもなっているのでしょう。

Helping the needy
医師の手は暖かい方が良いと思います

2-2.外部の環境変化に対応できる

私は、平日の午後は訪問診療に出かけます。冬場は、外は寒く、患者さんのお部屋の室内も暑かったり寒かったりと差があり、温度が目まぐるしく変化しています。そのうえ看護師さんが運転する訪問車の中でウトウトと短時間の睡眠をとることもあります。そんな環境は、とても風邪を引きやすいものでしょう。しかし、使い捨てカイロを張っていると、外部環境が変化しても体が冷えることが少ないため、体調を崩すことが少なくなっていると考えられます。

2-3.トイレの回数が増えない

私は、外来中や訪問診療中にはほとんどトイレには行きません。しかし、寒くなって冷えると尿意が近くなるのは皆さんと同様です。

それって、なぜだか考えたことはありますか?。「寒くなると、膀胱や筋肉が縮むから?」ではありません。答えは「寒くなると、体温に比べて外気温が低くなります。そうすると、体温を維持するために、通常より体内で燃焼作業を多く行う必要があります。その際に、「代謝水が発生する」からです。ですから、冬場の頻尿を防ぐには、身体を温めることです。これにより代謝水の増加を防ぐことができ、尿意が近くならないのです。

3.使い捨てカイロ 長谷川流の使い方とは

ここからの使い捨てカイロの使い方は、長谷川のまったく個人的な意見です。参考になればと思いご紹介します。

  • 毎朝、外来が始まる前の午前8時30分ごろに使い捨てカイロを開封しています。
  • お気に入りは、「桐灰カイロ」の貼るタイプです。下着に直接貼って使用しています。
  • やはり日本製が温度が安定して持続時間も長いようです。説明書きには14時間持続と書かれていますが、それ以上持つ印象です。
  • 貼らないタイプは、個人的には位置が安定しないために好みではありません。
  • 靴の中のタイプは、かえって汗をかいてしまって冷たく感じてしまいます。それ以上に、訪問診療の際に靴を脱ぐので、見た目の問題もあり使用していません。
  • 就寝前には、まだ余熱があります。下着からはがしてベッドの足元に入れると、睡眠がとても快適になります。

まさに、一つの使い捨てカイロを朝から就寝時までフルに使っています。

ちなみに長谷川が愛用するカイロは以下の商品です。Amazon広告にてご紹介させていただきます。

kiribaikairo
桐灰はるカイロ 衣類に貼るタイプ(Amazon紹介ページ

4.貼る場所にもこだわろう

自分は基本的には腰に貼っています。手足が冷たいときはカイロを直接手に当てて温めようとする方も多いでしょうが、末端には細い血管しかないのでこれではなかなか冷えは改善されません。腰に貼ると、不思議とお腹から全身、末梢まで温まるのでおすすめです。


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しかし、風邪の引き始めのときは、背中を暖めたくなるかと思いますので背中に貼ると良いでしょう。自分のカラダと相談しながら貼る場所を変えてみましょう。以下に、貼る場所による違いを紹介します。

4-1.首

太い血管があるため、首を温めることで、全身が効率よく温まります。また、首を前に曲げた時に、首と背中の間に骨が飛び出しているところがあります。ここには「大椎(だいつい)」という全身を温めるツボがあります。

4-2.背中

肩から背中にかけて僧帽筋という大きな筋肉がありますが、冷えると血流が悪くなり、筋肉が固くなってしまいます。そんなときは、肩甲骨の間を温めましょう。肩甲骨の間には太い血管が走っているので、そこに貼って温めると体全体が温まりやすくなります。背骨に沿って2枚並べて貼っても効果的です。この辺りにはいくつものツボがあるので、一石二鳥です。

4-3.おなか

全身が冷える時、おへそより指2本分下にある「気海(きかい)」というツボを温めるのが効果的です。毎日温めることで、常にコンディションが安定して、元気に過ごせる魔法のツボと言われています。

4-4.腰

腰は、冷えによる不調を感じやすい場所です。おへその真裏には「命門(めいもん)」というツボ、そこから指2本分外側には「腎兪(じんゆ)」というツボがあります。この辺りをカバーするようにカイロを貼ると、腰全体を温めることができます。

4-5.足

冷えやすい足の中でも、特に指先は温めたいポイントです。全身を温めるには、太い血管がある足首のくるぶし周辺を温めるとよいようです。内くるぶしの後ろ、アキレス腱との間のくぼみには「太谿(たいけい)」という冷えによいと言われるツボもあります。

5.注意点とは

使い捨てカイロを使う場合は以下に注意してください。

5-1.低温火傷

シールで衣類に貼るタイプのものは、一日中付けっぱなしになるため低温火傷を起こしやすいです。それを避けるためには皮膚に直接張らないでください。下着も薄い場合は、カッターシャツ(Yシャツ)の上などなるべく皮膚から離れるような場所に付けるようにしましょう。低温火傷とは、自分が思っている以上に低い温度でも起きてしまう火傷です。「ちょっとでも熱い」と感じたらすぐに別の場所にずらしてください。

5-2.圧迫しない

カイロを当てている場所を衣服で圧迫してしまうと、カイロを押しつけることになり熱さを感じやすくなります。特にカイロをお腹に当ててガードルを着用したときなどは、圧迫が強いので気をつけましょう。

5-3.靴用は温度に注意

靴用の使い捨てカイロは酸素を取り込み発熱しやすくなっていますので、体に貼るタイプとして使ってしまうと温度が上がりすぎて火傷することもあります。靴用と書かれているものは靴に使ってください。

5-4.心臓・頭・脇の下はダメ

心臓・頭や脇の下にはカイロを貼らないでください。心臓は元々温かいのでカイロを当てる必要がないですし、熱の発散をする脇の下を温めるのもNGです。温めてはいけない部分にカイロを貼ってしまうと、吐き気を感じたり頭痛・めまいがが起こりやすいので絶対に避けてください。

6.その他の冷え性、風邪予防対策法

使い捨てカイロだけではなく、運動、食べ物、入浴も冷え性や風邪の予防には効果的です。どういう方法が良いか具体的にご紹介します。

6-1.筋力をつける運動を行う

私たちの身体は、寒さを感じると自動的に体温を上げて寒さに対応しようとします。その身体の熱を生み出すのに大きな役割を担っているのが、筋肉です。筋肉量が少ない人は、それだけ熱を生み出せる力が少ないため、冷え性になりがちです。もし冷え性が改善せず、日頃から運動不足で筋肉が衰えていることを自覚しているのであれば、まずは筋肉量を増やすことを考えましょう。筋肉量を増やせば、体温が上昇しやすくなるからです。

6-2.冬が旬の根菜などを食事に取り入れる

体を温める食べ物は、「冬が旬で、寒冷地の地中で育ち、色がどちらかといえば暖色系で、水分が少ないもの。発酵食品も良い」という特徴があります。以下に例を紹介します。

・ニンジン
・カボチャ
・タマネギ
・レンコン
・ゴボウ
・ジャガイモ
・自然薯
・玄米
・鮭
・納豆
・キムチ など

6-3.ゆっくり入浴する

体を温めるには入浴時間と温度が大切です。「40度以下のお湯に30分浸かりましょう」という話も聞きますが現実的ではありません。そんなに時間が取れないという方も多いと思います。41度のお湯なら15分、42度のお湯なら10分は浸かりましょう。お風呂上がりには下半身に10秒ほどシャワーで冷水をかけると体内に「温かさ」が閉じ込められるのでかえって保温効果が向上します。

7.まとめ

  • 冬場に身体を冷やすことは万病のもとです。
  • 使い捨てカイロを使うことで、身体を暖めて自然治癒力を高め風邪を引かずに冬場を乗り切りましょう。
  • 背中や腰に張ることで、手足をはじめとする全身が温かくなり、うたた寝で風邪を引きことも防げます。
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