片頭痛のジェネリック医薬品使用には注意が必要な理由

片頭痛のジェネリック医薬品使用には注意が必要な理由

私が専門とする脳神経内科は頭痛を専門とします。そのため、受診される患者さんは「市販薬が効かない頭痛」の方が大部分です。特に、典型的な片頭痛の患者さんは、いったん頭痛が起こると、仕事や勉強を中止せざるを得ないほどです。そのため、適切な薬を組み合わせて、痛みをコントロールするようにします。

その時に重要な薬の一つが、トリプタン系薬剤です。現在、トリプタン系薬剤は5種類(商品名でイミグラン、ゾーミック、レルパックス、マクサルト、アマージ®)です。タイミングを逃さずに服薬すると劇的な効果があります。

但し、難点は薬価が高いこと。発売当初は、1錠1000円以上していました。服薬される患者さんは、3割負担の若い方が殆どですから、保険を使っても1錠300円程度です。患者さんによっては、「喫茶店でコーヒーを飲む代わりに服薬しています」と言われる方もいらっしゃいました。

そんなトリプタン系薬剤ですが、最近ではジェネリックも出てきました。令和2年4月現在、先発品が684.6円に対して、ジェネリックは242.8円と相当に魅力的です。そのため、多くの方にジェネリックをお薦めしました。

しかし、何人もの方が「ジェネリックが効かない、効果が何か違う」と言われるのです。一人の患者さんであれば、「気のせい?」とも思えるのですが、印象としては患者さんの1/3~1/2の方が言われるのです。そのため、先発品に変えると、全員が、「やはり先発品のほうが効く」と言われるのです。

確かに、ジェネリックは理論上は「新薬と有効成分が同じで、効果や安全性について違いはない」とされています。しかし、薬の形状、添加物の差によって、微妙に効果に差が出ることは、他の種類の薬でも見られることです。

特に、片頭痛のように、デリケートな作用によって引き起こされる疾患で、ジェネリックの使用には注意が必要です。もちろん、ジェネリックでも効果が変わらなければ継続しても問題はありません。但し、ジェネリックに変更して効果に変化を感じたら、主治医にお願いして先発品に戻してもらいましょう。


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なお、片頭痛については以下の記事も参考になさってください。

 

 

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