【お薦め本の紹介】ルポ・収容所列島・・精神科には近づいてはいけない

【お薦め本の紹介】ルポ・収容所列島・・精神科には近づいてはいけない

本を読みながら、背筋が凍る思いでした。精神科の疾患は、第三者的な評価が難しい疾患です。ある意味、医師が「病気といえば病気」にされてしまいます。その中でも医療保護入院の制度は、あまりに一人の医師に権限が集中しています。これは多くの方が声を上げる必要があります。そうでないと、誰もが刑務所よりひどい精神科に入院させられ可能性があるのです。

  • 精神疾患により医療機関にかかっている患者数は日本中で400 万人を超えている。そして精神病床への入院患者数は約28 万人、精神病床は約34 万床あり、世界の5 分の 1 を占めるとされる
  • 医療保護入院は精神保健福祉法が定める強制入院制度の一つ。本人が入院に同意しない場合に、家族など 1 人の同意に加え、同じく 1 人の精神保健指定医の診断があれば、強制入院させられる。
  • 自由の制約という点では同じ刑事事件の場合、逮捕・勾留には現行犯以外は令状が必要で、その発行には裁判所の判断が介在するが、医療保護入院にはそれがない。刑期の決まっている刑事事件に対して、医療保護入院には入院期間の定めがない
  • 厚生労働省によれば、 2020年6月末時点で、入院者のほぼ半数の約13万人が医療保護入院で、また同入院の新規の届け出数は、 2016年度以降、年間約18万件超と高止まり状態にある(「衛生行政報告例」)。
  • 医療保護入院の仕組みは、入院や行動制限の要否を判定する精神保健指定医の判断の正当性がすべての前提となっている。指定医の患者に対する権限は絶大だ。だが、同資格をめぐっては数年前に制度の根幹を揺るがすような大きな不祥事が起きた
  • 2015年、聖マリアンナ医科大学病院で、組織的な指定医資格の不正取得が発覚した。
  • 東京都の精神医療審査会が 2020 年度の退院請求審査 211件のうち、退院を認めたのはたったの 2 件。もはや「開かずの扉」
  • 世界には通用しない日本の精神医療の常識の、筆頭格にあたるこの医療保護入院。絶大な権限をもつ精神保健指定医がひとたび暴走したら歯止めはきかず、取り返しのつかない人権侵害へと直結する
  • 診療報酬詐欺で懲役 2 年執行猶予 4 年の有罪判決が確定した精神科医は、一審の有罪判決後、関係者宛にこのような内容のメールを送っていたという。 「僕は一つだけやってやろうと決めてることがある。捜査機関の奴らが認知症やら何やらで精神科に来たら問答無用で隔離室に放り込んで、徹底的に痛めつける。絶対出さないしいくらでもいてもらう。完全に壊してから自宅に引き取らせる。」
  • 離婚を有利に進め子どもの親権を得るために、この医療保護入院が悪用される事例の相談は、ほぼ切れ間なくコンスタントに寄せられる
  • 精神病床への入院者約27万8000人(2017年)のうち、 5年以上の長期入院者が約9万1000 人約 33%)、10年以上は約5万4000 人(約 19%)となっている。
  • 精神科特有の強制入院の一つ「医療保護入院」のための患者の移送については、 1999年の精神保健福祉法の改正で、都道府県知事が公的責任において行う制度が新設され法改正で排除を狙ったはずの警備会社などの民間移送業者が、いまも精神科病院への移送のメインプレーヤーとして利用されている
  • 移送の中心を担う警察官 OB「自分が行った精神科病院への移送のうち、明らかに精神疾患のある方は 2 割ぐらいで、あとは何らかの家族内でのトラブルが原因のように感じられた」
  • 精神科の処方は医師一人ひとりによる名人芸になりやすい。薬物治療のガイドラインすら守らない医師もいる
  • すぐに発達障害と疑う現在の学校現場を問題視
  • 『薬を飲んで落ち着かせることで、本人に成功体験をさせる』というのが、多くの教員の考えだ。学校のルールが厳格化されたことで、ルールを守れない子どもが問題児扱いされてしまう。
  • 日弁連は「国は(精神医療の)強制入院制度による人権侵害の存在と過ちを認めて、ハンセン病問題と同様に、第三者機関による調査・検証を実施し、誤った法制度による人権侵害の社会構造性とともに、加害と被害の実相を解明すべきである」
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