私は認知症の専門医ですが
医療法人ブレイングループの経営者でもあります。
決算書も読めますし
経営計画書も5年先まで作成し
ほぼ達成します。
そんな話をすると
『お医者さんというより経営者ですね?』
という言葉を戴くことが多くあります。
その言葉の裏には、どこか疑念?軽蔑?の雰囲気を感じます。
しかし、私の持論は
『マネジメントもできない医者は、医療のレベルも低い』です。
医者ではありませんが、
大村智さんのマネジメント能力は相当高いようです。
発見したエバーメクチンのロイヤルティーの交渉では
当初、3億円ですべての権利をもらえないかと提案・・
その額は、教授が定年まで何の心配もなく研究できるだけの額です。
実際、北里研究所の担当理事は「3億円をもらった方がいい」と勧めてきたそうですが、
大村先生は、売り上げのある比率を
北里研究所に支払う方式にすべきだと主張して譲らなかったのです。
結果、2003年まで20年以上も特許料収入が実現しました。
さらに、その特許料で自身の研究だけでなく、
1989年4月に「北里大学メディカルセンター」までも作ったのです。
特許料だけで、病院まで作った人は大村さんしかいないそうです。
ちなみに特許料収入は、多い時で年間16億円!!
更にそれだけでなく
北里研究所の副所長になり
経営改革もしています。
その時には、
“経営を一から学んだ”というから凄いものです。
当時の心境は、
『大学の教授を続けるよりも、研究所を立て直す仕事の方がはるかに大きなことができるだろう』という
思いであったようです。
そこには
『研究者だから経営ができない』という甘えはありません。
大村先生の仕事ぶりを見ると
『マネジメントもできない医者は、医療のレベルも低い』
も間違いでない、少し自信を持ちました。