無理して元気にしていませんか?命に関わる“交換神経過剰興奮”とは

無理して元気にしていませんか?命に関わる“交換神経過剰興奮”とは

最近、若手のとても元気な経営者の方と知り合う機会が増えています。皆さん、若さと行動力にあふれ、とても勉強熱心です。若さが羨ましくもあるのですが、少し心配なことがあります。それは、彼らが明らかな「交感神経の過剰興奮」であることです。私自身も、いわゆる「前厄」の40歳の時に、「このままの生活が続くと死んでしまう」と思ったほど、交感神経過剰興奮の生活をしていました。実際に、周囲でも日本一の営業成績をおさめているセールスマンの突然死の話も耳に入っていました。

そのため、40歳のころから、交感神経の過剰興奮を抑える方法をいろいろと試行錯誤。お蔭で、54歳になった今では、40歳のころよりも、身心ともに健康です。今回の記事では、交感神経の働きを熟知している脳神経内科専門医の長谷川嘉哉が、交感神経の過剰興奮を抑えるとっておきの方法をご紹介します。

1.交換神経過剰興奮な人の特徴はマグロ?

皆さんの周囲にもいらっしゃいませんか? 朝も早く起きて、すぐに活動を始める。日中も休むことなく次から次へ休みなく仕事を続ける。少しても空いた時間があれば、何か用事を入れてしまいます。予定表がびっしり埋まっていないと安心できないようです。

人によっては、泳ぎ続けないと死んでしまうマグロに例えられることもあります。このような生活を、脳神経内科医としては、交感神経が過剰興奮していると判断します。

*マグロ:回遊魚の中でもマグロやカツオは、自らエラブタを動かすことができないため、泳いでえらの中に酸素を取り込みます。そのため、泳ぎを止めると死んでしまいます。同じ、回遊魚でもエラを動かせるマアジや太刀魚は、泳ぎを止めても死にません。

2.交感神経が過剰に働くとは?

無意識のうちに循環器や消化器、呼吸器などの活動を調整しているのが自律神経です。自律神経には、交感神経と副交感神経があります。交感神経は、活動時や昼間に活発になり、副交感神経は安静時や夜に活発になります。健康のためには、交感神経と副交感神経がバランスよく働くことが大事です。しかし、マグロのような活動的な生活をしている人たちは、常に交感神経が優位になり過剰に働いていると言えるのです。

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1日のなかで交感神経と副交感神経がシーソーのように優位になるのが正常です

3.交感神経過剰興奮でリスクが増大するもの

交感神経の過剰興奮は医学的にも以下のようなリスクが高まります。

3-1.細菌感染

白血球の中でも、細菌感染に関与する顆粒球は交感神経が支配しています。そのため、交感神経が優位になると顆粒球が過剰に働いて、細菌感染をおこしやすくなります。忙しい時に限って、ニキビやおできが炎症を起こすことを経験されませんか? 私自身は、大腸に憩室を持っているため、忙しくて交感神経が優位になると憩室炎がうずきます。以下の記事も参考になさってください。

3-2.循環器疾患

交感神経が過剰興奮している状態は、常に戦闘態勢と言えます。血管は収縮して、血液の粘調度も上がります。このような状態が継続すると、動脈硬化性変化も進行し、脳血管障害や虚血性心疾患をおこしやすくなります。やり手の営業マンが突然亡くなってしまう原因がこれです。

3-3.悪性腫瘍(がん)

交感神経の過剰興奮は、顆粒球による活性酵素やサイトカインの産生が活発になります。この動きは、同時に副交感神経支配のリンパ球の働きを抑制してしまいます。結果、免疫力も低下し、がんが発生しやすくなると言えるのです。

4.交感神経を収める方法【日中編】

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ONとOFFの切り替えも大事です

このような体に負担をかける交感神経の過剰興奮を収めるには以下の方法がお薦めです。

4-1.深呼吸

交感神経が過剰興奮の方の、呼吸は浅くなりがちです。鼻から空気を吸って、ゆっくりと口から吐いてみてください。ある意味、最も簡単な方法です。何よりも、生活のなかで深呼吸をする程度の、精神的・時間的余裕を持つことが大事なのです。

4-2.温かいものを食べる

交感神経が過剰興奮な状態の人は、冷たいビールと焼き肉を好む傾向があります。食べ物を消化するような活動は、副交感神経が支配しています。人間は本能的に、冷たいもの摂取し、食事をすることが副交感神経優位になり、交感神経を抑制することになることを知っているのです。この場合、同じ食べるにしても、温かい飲み物で和食を欲するような穏やかな生活を送りたいものです。

4-3.負荷の少ない運動

適切な運動は、リラックス効果により交感神経を抑制します。しかし、ジョギングなどの走ることは逆に交感神経を興奮させますので控えましょう。何より、交感神経の過剰興奮に陥りがちな人は、ジョギングをしてもタイムや距離にこだわり、さらに悪影響になります。周りの景色を楽しむような、ゆったりとしたウォーキングがお薦めです。

4-4.鍼

私は、14年前から、基本的には毎週。最低でも2週間に1回、鍼灸の治療に通っています。鍼灸を身体に施術してもらうと、気持ちが落ち着いて、やがて眠ってしまいます。施術後30分もすると、腸がゴロゴロ動き始めることも自覚します。約60分の施術が終了すると、身も心もリラックスして気分も爽快です。まさに、交感神経が抑制され、副交感神経が優位になることが実感されます。以下の記事も参考になさってください。

4-5.ストレッチ

人間は筋肉が延ばされると、「リラックスしても良い」という信号が脳に伝わります。このことが、交感神経の抑制につながります、そのため、運動の前だけでなく、日常生活のなかでストレッチを習慣化されることがお薦めです。

5.交感神経を収める方法【寝る前編】

郷ひろみさんは、寝る2時間前から良質な睡眠のための準備に入られるそうです。睡眠前には以下がお薦めです。

5-1.お灸

私は、どんなに疲れていても、寝る前のお灸はかかしません。お灸はまさに、全身の緊張を緩めます。お灸は最初の導入に抵抗を持たれる方が多いのですが、一度でもトライされた方は、皆さんハマっています。小さなお灸がなぜこれほどの効果があるのか不思議なほどです。超お薦めです。詳しくは以下の記事も参考になさってください。

5-2.シャワーではなく入浴

良質な睡眠のためには、シャワーでなく入浴でしっかりお湯につかりましょう。できるだけ、眠りにつきたい時間の1~2時間程度前にしましょう。お湯の温度も、40度程度の温めのお湯に、ゆっくりと時間をかけてはいりましょう。自分は、湯船につかりながら丁寧に歯磨きをしています。

5-3.マッサージ器を購入

最近の、マッサージ器の性能はマッサージ師も顔負けです。少し値段も高価ですが、健康には代えられません。私は、寝る前には、必ず15分ほどマッサージ機に乗ります。全身を揉まれることで、強制的にリラックスできることが体感できます。

5-4.眼を温める

マッサージ器に乗るときに、必ず行うことが目を暖めることです。眼を暖めることで、副交感神経優位となり身体全体をリラックスさせ、良質な睡眠に導かれるのです。目の暖め方については、以下の記事も参考になさってください。

6.私はできなかった!交感神経の一般的な抑制方法

世の中には、いろいろな交感神経の抑制方法がありますが、やはり合うあわないがあるようです。交感神経の抑制には瞑想や座禅は理想的です。しかし、残念ながら自分の性格に合わなかったのか、数回試してみましたがその後は継続できませんでした。しかし、効果があると思いますので、一度はトライされることをお薦めします。

7.まとめ

  • 若さと行動力にあふれる方も、交感神経の過剰興奮には注意が必要です。
  • 交感神経の過剰興奮は、感染・循環器疾患・癌の発症にまで影響を及ぼします。
  • 交感神経抑制のための習慣を日常生活に取り入れることをお薦めします。
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