困った親!?・・前頭側頭葉型認知症〈ピック病〉では?

2014-01-06

皆さん、前頭側頭葉型認知症〈ピック病〉を知っていますか?認知症とは、症候群であって原因疾患がいくつかあります。その第1位がアルツハイマー型認知症、第2位が血管性認知症、第3位がレビー小体病、そして第4位が今回紹介する前頭側頭葉型認知症〈ピック病〉で頻度的には認知症全体の5%程です。以前は、65歳以前に発症する初老期認知症の代表と言われていましたが、現在は高齢者でも見られます。

前頭側頭葉型認知症〈ピック病〉はアルツハイマー型認知症等とは異なり、初期状態では記憶低下など生活上の障害は軽く、認知症と判断されないことも多いのです。

しかし前頭葉の機能低下により、理性が効かなくなり論理的思考が困難となります。その症状の特徴としては、早期では、物事に無頼で無頓着になり、人から注意を受けても耳を傾けることもなくなるなど、いわゆる「自分勝手・我儘」と表現される状態になります。さらに進行すると、万引きや人前での破廉恥行為など、本来なら実行に罪悪感や羞恥心を示す行動を気に掛けず平気に行うようになります。

このような症状が出ると、家族としては“困った年寄り”と感じてしまい、時には家族関係が崩壊していしまうことさえあります。何しろ、この病気を理解しない医師の中には、患者さんと喧嘩してしまうケースさえあるのですから・・・

ですから、おかしいと思ったら、認知症の専門医を訪ねてください。その際には、医師に困っている症状をメモ等に記載して十分伝えて下さい。もしその訴えに耳を貸してくれない医師であれば、残念ですがこの病気の知識がないと諦めて、別の医師を探してください。


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現在、早期の状態であれば、抑肝散やメマリーや抗精神病薬少量投与が効果を示します。そしてうまくブレーキがかかると、殆ど普通の人となり家族との関係も良好となります。その効果は、私の患者さんの家族でも驚かれるほどです。

ところで、この病気を理解するには、映画『「わたし」の人生(みち) 我が命のタンゴ』がお勧めです。精神科医である、和田秀樹さんが監督されているため、とても分かりやすく描かれています。アルゼンチンタンゴで症状が落ち着くか否かについては保証できませんが、病気を理解するにはとても良い映画です。ご家族で、“おかしいな?”と思われたら一度この映画を観ることをお勧めします。

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