閉じ込め症候群 潜水服は蝶の夢を見る

2013-09-20

映画の中には、医学的な疾患が取り上げられているものも少なくありません。そんな中でも“潜水服は蝶の夢を見るは、私の専門である脳梗塞によって発症する閉じこめ症候群(Locked-In syndrome)を題材にしています。脳の中でも、脳幹の橋という部分に梗塞が起きます。そのため、意識ははっきりしています。しかも他人の話すことも完全に聞こえるし、理解もできます。しかしそれに対して反応できるのは、中脳にのこる眼の動きだけです。さらに体も、両手、両足が全く動きません。想像してみて下さい。手も足も全く動かない、声も出せない。しかし、意識はあって、周囲の声も視覚情報も普通に入ってくるのです。

映画では、昏睡状態から目覚めたものの、左目のまぶた以外を動かすことができないところから始まります。意識ははっきりしているにもかかわらず言葉を発することができない彼に、言語療法士がまばたきでコミュニケーションを取る方法を教えてくれるのです。このあたりのリハビリスタッフの充実ぶりは、残念ながら日本ではありえないレベルです。

この映画の原作は、主人公がファッション誌の編集長として活躍する人生から一転、脳梗塞で左目のまぶた以外の自由が効かなくなってしまった実話を映画化されています。なんと原作は、主人公自身が20万回のまばたきでつづった自伝小説なのです。

題名は彼の表現を借りれば、“自らの体に閉じ込められた状態、それはさながら水中に潜った重い潜水服を着ているようだった。しかし、彼にはまだ元気な時と全く変わらないものが残されていた、類稀な想像力と記憶力だ。彼はそれを頼りに瞬きで自伝を執筆することを決意する。そう、再びこの重い潜水服を脱いで蝶のように自由に羽ばたくことを夢見て・・


長谷川嘉哉監修の「ブレイングボード®︎」 これ1台で4種類の効果的な運動 詳しくはこちら



当ブログの更新情報を毎週配信 長谷川嘉哉のメールマガジン登録者募集中 詳しくはこちら


この病気は、ブラックジャックでも取り上げられています。なぜか、この部位の脳梗塞は通常より若い年代、映画と同様に40歳代ぐらいで発症することが多いようです。特に、糖尿病が基礎にあるとリスクが高まります。

こんな疾患があることを知るとともに、40歳を超えればいつでも脳梗塞になる可能性があることを知っていただきたいと思います。

長谷川嘉哉監修シリーズ