個人的には、2013年に日銀が、国債を引き受けを始めた時から、日本の将来は、インフレ・円安に進行すると確信しました。しかし、だからといってやみくもに不安を煽るような報道や書籍にも、どこか賛同できないものでした。
そんな中、先回ご紹介した一倉定さんを師事されていた、小宮一慶さんの書籍は参考になりました。小宮一慶さんの著書には、「ビジネスマンのための「発見力」養成講座」、「日経新聞の「本当の読み方」がわかる本」、「あたりまえのことをバカになってちゃんとやる」など骨太な内容の本が多いため、とても参考になります。
その中でも今回紹介する「増税社会を生き抜くたった一つの方法」の中で、「小宮自身、資産全体の3割強を外貨建て資産で持つようにしている。」という事実には驚きました。さらに偶然、私が代表を務めるNPO法人PAL研究会で、小宮一慶さんに講演をお願いする機会がありました。講演前に控室で確認したところ、「本だから3割と書きましたが、本当は5割は超えています。」とのことでした。
今回の、コロナ禍でもさらに国債の発行額が増えています。そうなると、資産をすべて日本円で持つことはあまりに危険です。決して、煽るわけではありませんが、一部は外貨、特に米ドルで持っておくことは、資産を増やすためでなく、守るためにも必要です。この考えは個人だけでなく、法人としても同様です。法人を守るためには、利益を上げて自己資本比率を高めることが大事ですが、基準となる円の価値が下がっていれば意味がありません。一定の外貨資産を持つことが必要なのです。
本の中からも一部紹介します。
- 日本経済は20年以上停滞したまま・・この間米国は約2倍、中国は10倍
- 今後、給料が増えないまま増税され負担は増す一方、その上消費税率が10%になっても財政は健全化しない
- 国民の貯蓄率低下&経常収支の黒字の減少で、国債の消化にも限界が見えつつある
- 金国債暴落とまでは断言できないが、国債の価値が大きく目減りする方向に向かっている
- お金を持っている人ほど、情報に敏感で、決断も早い
- 今後の為替は、円が売られやすい傾向が今後も続く。少なくとも1ドル80円割となる円高には戻らない。
- 日本以外のインフレターゲットは、消費者物価を下げるためのもの、日本は『異質』なもの。成功する保証はどこにもなく、正常なインフレに戻すのは至難の業。異次元の金融緩和は、コントロールできないインフレや財政破綻を招きかねない“両刃の剣”である
- 小宮自身、資産全体の3割強を外貨建て資産で持つようにしている。・・できれば、邦銀以外の海外の銀行の国内支店で預け先も分散しておくべき。