平成25年9月28日に出版される本の副題でもある、” ボケやすい脳、ボケにくい脳“のメインテーマは脳の中でも扁桃核を意識しようです。皆さん、扁桃核という言葉を知っていますか?
扁桃核は、大脳辺縁系に存在しています。脳としては、新しくもなく、古くもない中間の段階と言えます。中間という考えでいけば、無意識に働く脳幹、覚醒で働く大脳との中間の働き方をします。無意識と覚醒の中間といえます。扁桃核は、別名感情脳と言われ、感情をつかさどる中枢と言われています。しかし、その感情脳である扁桃核には、記憶の中枢である海馬が隣接しており、さらに大脳皮質とも密接につながっています。
結婚会見を思い浮かべて下さい。“パートナーのどこが気に入りました?”という質問に理由を言われますが、これは大脳皮質の働きで理屈付けをしているにすぎません。判断は扁桃核がしているのです。
例えば皆さんが、素敵な異性に出会ったとします。しかし、他の人は全く好みでないことってありますよね?自分は好みだが、他人は好みではない。これを一瞬で判断しますよね?これは、五感から得た情報を、過去の記憶におけるデータと照らし合わせているのです。例えば、昔仲の良かった人と、声が似ているとか、昔嫌なことをされた人に顔が似ているなどを一瞬に解析して快か不快かを判断するのです。男性が母親に似ている女性を選ぶこともこれで説明できます。子供のころに、母親からの受ける感覚は、やはり“快”と認識します。そのため、どうしても扁桃核は母親に似た女性を快と感じてしまうようです。しかし、この話題は講演等では、全く受けません。お嫁さんの立場としては、“私が姑さんと似ている?!”などとは、思いたくもないようです。
扁桃核を意識するには、まず情報を収集するために関心を持つことが出発点となります。毎日の生活で、例えば何を食べても同じと思っていませんか?奥さんが作る食事を無意識に食べている方は注意です。家族や友達の髪型の変化も関心もなければ気が付かないものです。変化に気が付けば、そこで自分にとって、快か不快の刺激になるのです。
その他にも流れている音楽、部屋にかかっている絵、部屋の匂い、これらも関心が無ければ、扁桃核を刺激することはありません。認知症の予防のためには、まず好奇心・関心を大いに働かせ、快不快を意識することで、扁桃核を刺激することが大事なのです。
より詳細は、本を購入いただければ幸いです。